「けが」について知識を深める④
こんばんは、今回も「けが」(熱傷)について解説します。
(熱傷とは)
火や熱湯などの熱いものに触れて生じる皮膚の損傷のことを指します。
「やけど」とも言います。
(熱傷が起こる原因)
「みそ汁や麺類などを食べる時に舌をやけどした。」や「ストーブ、花火、電気アイロンに触れてしまった」などがあります。
(熱傷の程度)
広さ、深さ、場所によって決まります。
広さ:皮膚が変色する、水膨れが生じる範囲のこと。
指を含んだ手のひら1枚分が1%の体表面積になるので、
およその広さを表現することができる。
成人の場合は、表面積20%~30%以上、
乳幼児の場合は表面積10%~15%以上にわたる広い範囲の熱傷を受けると
「重症」となります。
深さ:見た目や痛みなどである程度、深さが分かります。
1度 表皮層→皮膚が赤くなる。→痛みとひりひりする感じ。
2度 真皮層→皮膚が腫れ、赤くなり水膨れになる。→激痛と焼ける感じ。
3度 皮下組織→皮膚が乾き、固くなる。→痛みや皮膚の感覚がない。
表皮層(ひょうひそう):皮膚の1番外側にある薄い膜のこと。
真皮層(しんぴそう):皮膚の内側にあり、大部分を占めている。
皮下組織(ひかそしき):皮膚の1番内側にあり、
動脈や静脈が通っている。
場所:顔面、指や手足の関節に熱傷が生じると後遺症が残りやすい。
また、熱い気体を吸い込むと喉や気管に熱傷が起こる。
そのことを「気道熱傷」とも言う。
(手当の仕方)
・1度、2度の場合は冷たい水で痛みが取れるまで冷やす。
・直接、熱傷部に水をかけないようにする。
・水膨れは潰さない
・熱傷部が服などで覆われている時は、脱がさずそのまま冷やす。
・2度、3度の場合、水で流した後、タオルで冷やす。
・体温を下げてしまう危険性もあるので10分以上冷やさない。
・意識がはっきりしていて、吐き気がない場合は水分をとらせる。
・119番通報をする。
(化学薬品がかかった場合はどうすれば良いですか?)
服は薬品がかかったところだけ切り取り、患部を大量の水で洗い流した後、できれば原因の薬品を持って医療機関に行きます。
また、目に入った時も同様に水で洗い流します。
※絶対に中和をしないでください。
(凍傷)
寒冷によって皮膚や皮下組織が凍結することによって生じる傷害。
軽度では皮膚が赤くなったりや腫れたり、水膨れがみられる。
重度になると組織の壊死(えし)によって皮膚が灰色や黒色に変化する。
軽度であればぬるま湯で温めることで回復します。
重度になると手術による切除・切断が必要になることもあります。
(最後に)
今回は熱傷について解説しました。
次回は、「感電」、「落雷」、「低体温症」についてお話します。
本日も読んでいただきありがとうございました。
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