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あなたの家づくり、間取りを自分でつくると発見がたくさん!ジェネレーターになりたい建築士の話

建築に携わる者にとって、パターン・ランゲージといえば、クリストファー・アレグザンダーの『パタン・ランゲージ』

1冊10780円!と破格のその本は、文字たっぷりのモノクローム。建築計画・都市計画の理論をまとめた手引書です。

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(年々、値上がりしているような気がする)

建築学生時代は、文字がヘビーすぎて深く読み込むことができなかったのですが、パタン・ランゲージが落とし込まれている建築をみたり、実践する建築家の言葉を聞くことで、再読。

そもそものアレグザンダーの意図や試行錯誤のプロセスに触れ、今では仕事の必携書です。


そこからのきっかけで知ったのが、井庭崇先生の「パターンランゲージ」の考え方。あまたある良い経験則をパターン化し、他者と共有できる「ことば」を与えることで、知恵の共有を図り、よりよいプロセスをつくるための考え方とツールを開発されています。


様々なテーマ・場面でのパターンランゲージがあって、ワクワクします。

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アレグザンダーの『パタン・ランゲージ』も、井庭先生の『パターン・ランゲージ』も、抽象と具象の橋渡しをする役割をもち、同時にコミュニケーションの橋渡しをしますが、私は、なかでも後者「人と人との共通理解を図るための共通言語」としての役割が興味深い。

家づくりの場面でも活用できるヒントが盛りだくさんです。

(アレグザンダーの建築のパターンに限らず、井庭さんの、対話についてのパターン、コラボレーションのパターン、おもてなしのパターン、ラーニングパターンなど、どれもほどよく抽象的・ほどよく具体的な概念なので、テーマ外の場面にもあてはまるのです)

さらに、昨年『クリエイティブラーニング』という学びのあり方を知りました。これからの創造社会での教師像を「ジェネレーター」という言葉で表現されています。

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(その理論と、創造的学びの実践者との対談集、おすすめです)

「ジェネレーター」とは
井庭先生と「探究する学び」の開発者であり、探究して学ぶ場づくりをしている市川力先生がつくった造語だそうですが、その役割がとても面白い。

先の著書によると、
「プロジェクトでの創造的な活動に、自らを参加者として入って一緒につくりながら、自分の創造性も他者の創造性も刺激しつつ、たくみにコミュニケーションを誘発し、アイディアを生成するという教師像」
とあります。

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これは、家づくりの場面での設計者のあり方にも通じるものがあるぞ。

本を読み進めながら、そんなワクワクした思いが募り、住む人自身が間取りをつくり、設計者である私もその中に入って一緒につくる。

私はプロとして、よりよい案になるようにがんばる。

それが実現できたら、なんて楽しそう!
と、大いに刺激と影響をいただいたのでした。

「ジェネレーター的な設計者」としてのあり方については、折々に、気づきや発見の連鎖があり、線がつながってきました。

2020年の後半は、
ジェネレーターシップをまなび・つくり・発見することを楽しもう。


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ムラカミユキ


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