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タガ

ようやく田植えが終わったと思ったら、もう5月が終わる。

介護と子どもの進学による新しい環境と農作業のピーク。
これらを乗り切るのはさすがにきつかった。
色んなお誘いも「田植えが終わったらね。」とお断りしてきた。そろそろどうだろうかとお誘いがまたあるけれど、6月もどんどん予定は埋まっていくのでなかなか約束を入れるのは大変だ。予定に空白が欲しい、そう願うけれど草はどんどん伸びて草刈り作業も追いつけなくなる。田植えまでは忙しいけれど、田植えが終わっても仕事が無いわけではない。

週末は子供の部活の送迎、デイサービスの日は母宅の掃除や買い物。

母が床屋に行きたいと何度も言うので、乗せて行った。
近くの美容院、床屋に行けば良いのだが、認知症が発覚する数年前からなぜか遠くの床屋にこだわるようになり、そこに行かないと納得しない。
認知症の人のこだわりを変えるのは難しい。
乗せていく間の車内で、何度も何度も同じ話を繰り返すので
私の我慢も限界に達することが多くなった。
車内は密室で、二人きりであることが物理的によろしくないことは分かっている。さりとて、田舎の公共機関は限られた本数で、そこに合わせて母と出かけたり駅から店まで歩くことを考えると容易ではない。母はタクシーを使うことも嫌がるのだ。

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