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不動産業界のウラ側、教えます

村上です。

今日はクリスマスですね。

私からのクリスマスプレゼント、
というわけではありませんが
【不動産業界のからくり】をお伝えします。

不動産屋、
と言って、
最初に思い浮かべるのは、
どういった不動産屋でしょうか?

多くの方は、
賃貸客付けのミ〇ミニやエイ〇ル、

または路面店の多い、
リバ〇ルやリ〇ウスなどかと思います。

不動産屋、
このざっくりとした言葉の中は、
非常に多くのカテゴリーが存在し、

なおかつその中での情報は意外なまでに寸断されています。
そのため、この業界の構造を知らなければ
不動産投資をしていく中ではとても動きづらいのです。

不動産屋、
そのからくりをお見せします。

1.不動産業界の構造分析

不動産業界には【売買】【賃貸】
2つの主要事業があります。
また、流通・開発・販売の分業構造となっており、
その構造について知っておく必要があります。

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1-1.主な売買業者の種類

主な売買業者の種類としては、以下の通り。
1.ディベロッパー
2.買取り・再販業者
3.仲介業者

  A)販売業者
  B)A)以外の仲介業者
  C)販売代理
4.その他
  A)卸業者
  B)ローン仲介
5.AM会社

それぞれの種類について、
事業内容や特徴をご紹介します。

1.ディベロッパー
 ―買って、建てて売却してカセグ

【事業内容・特徴】
・土地を仕入れて分譲マンション建設や戸建の分譲を行う
・収益アパートや小ぶりな収益マンションを開発して売却する
・一般の方になじみ深いのは、ファミリーマンションを分譲している会社(財閥系、電鉄系、専業業者)である

2. 買取り・再販業者
 
買って、手直しして売却してカセグ
【事業内容・特徴】
・収益区分に限らず、実需系のものも仕入れ、
 リノベーションして再度販売している会社が最も多い
・1棟収益物件を仕入れ、
 リフォームなど手を加えて再度販売する業者もいる
・第三者のためにする契約(通称「三為」)もある意味、
 物件の仕入れと売却を行うため、このカテゴリーに入る。
 買取り・再販業者と違う点としては、
 自己では一時も保有しないため、中抜きとも呼ばれる

3. 仲介業者ーA)販売業者
 ―手数料でカセグ―
【事業内容・特徴】
・主にディベロッパーが企画開発した物件、
 買取り・再販業者の物件を主にエンドに販売する業者
・ディベロッパーによってはグループ会社や自社で
 販売部隊・仲介部門を持っている会社もある
・扱うものは業者物件が多く、エンドに対する販売する力が高い
・扱う際は実需系と収益系で別れて販売することが多い
・会社にもよるが、ガツガツ&強引だったりする営業が多い

3. 仲介業者ーB)A)以外の仲介業者
 ―手数料でカセグ―
【事業内容・特徴】
・1棟収益だけでなく、土地、ビル、区分マンションなど
 オールマイティに取り扱い販売・仲介する業者
・都心から離れると住宅系の案件が多くなる
・BtoBのみを行っている業者や大手仲介の一部門もあり、
 ディべロッパーや買取り・再販業者も、
 同仲介業者経由の情報で仕入れ~企画~開発を行い、
 また自社or仲介にて販売している
・分かりやすいのは、大手不動産会社の仲介店舗である

3. 仲介業者ーC)販売代理
 ―手数料でカセグ―
【事業内容・特徴】
・収益物件ではあまりなじみがないが、
新築分譲マンションではディベロッパーの代わりに
モデルルームでの接客から、広告戦略、契約書締結、
引渡し業務まで一貫(なかには一部)して行う業者
・大手から中小まで業者の規模は様々である

4. その他ーA)卸業者
 ―買って売却、買って建てて売却してカセグ―
【事業内容・特徴】
・BtoBがメインのため、業界外からはまったく見えない存在
・土地を地上げしてディベロッパーに卸す業者だったり、
 ディベロッパーの代わりに土地を一時所有し
 建物を建ててあげて、戻してあげたりする業者もいる
・ワンルーム分野に多い

4. その他ーB)ローン仲介
 ―手数料でカセグ―
【事業内容・特徴】
・ローンを申し込むにあたり、当該の仲介業者では
 出入り禁止になっている銀行、または提携している銀行ではないため、
 その仲介業者の代わりにローンを持ち込んでくれる業者
・金融機関とのリレーションが築けている
・他社がもらう物件売買にかかわる
 仲介手数料の数%をローン仲介手数料としてもらう

5. AM会社
 ―手数料でカセグ―
【事業内容・特徴】
・不動産領域と金融領域が交わってできた分野
・よくある名称が「●●アセットマネジメント、●●アセットキャピタル」など
・1棟収益の販売業者や三為業者にも、「▲▲アセット」「▲▲キャピタル」
 「▲▲トラスト」「▲▲インベストメント」などを社名につけて
 キラキラ感を出している業者が多かったが、
 決してAM会社のような知識を持っているわけでないのでご注意を!
・分かりやすいのはJリートの運用会社

1-2.主な賃貸業者の種類

1. 客付け賃貸業者
 ―手数料でカセグ―
【事業内容・特徴】
・ガラスに募集図面を張り付け、
 賃貸を探しているエンド顧客に物件を紹介する路面店のこと
・人生で一番初めに接する不動産屋であることが多いため
 一般の方の不動産業界に対するイメージは客付け賃貸業者か
 モデルルームでの接客を行う販売員であることが多い
・また、売買ではほとんど出会わないような属性
 (水商売、学生、生活保護など)の方々への物件紹介もある
・大手財閥系不動産仲介会社は
 売買と賃貸両方行っているところもあるが
 売買と賃貸との担当者は別々で
 扱う賃貸物件は比較的に品のある案件が多い

2. 管理会社
 ―手数料でカセグ―
【事業内容・特徴】
・オーナーから収益物件の管理を受託し業務を代行する
・業務は大きく分けて、①賃貸管理(入居者管理)②建物管理で、
 両方を自社で実施してくれる会社もあれば、
 片方は別会社に再委託もしくは、オーナーが委託という形式も
・①賃貸管理の大事な業務として、リーシング(入居者付け)があり、
 前出の路面店を持っていない管理会社の場合、
 物件担当者(もしくはリーシング担当者)が
 客付け賃貸業者に対して、客付けしてもらうように
 路面店を回ったりFAX営業をかけたりする
・自社で管理を行いながら、路面店で直接入居者を案内するなど、
 両方の機能を持っている会社もある。
 ただし、自社管理の物件は自社の営業店でのみで決める傾向が強く、
 他社の客付け賃貸業者への依頼を
 ほとんどしないケースが多いため注意が必要

2.価値×対価×顧客で見る 不動産業界の利益構造

皆さんは業者の利益構造を考えたことがありますか?

不動産に限らず
「価値の提供」に対する「対価」で
お金を稼ぐのが商売
 ↓
誰から「対価」をもらうのか
何を提供することで「対価」をもらうのか
 ↓
理解すると「カモられない」

つまり、
ビジネスモデルを理解すると失敗しないんです。

ビジネスモデルを構成する要素としては、
①価値
②対価
③顧客

この3つが挙げられます。

一体誰から、何を提供し、どんな対価をもらうのか?
おおまかに図解すると下図のようになります。

【不動産業者の利益構造】

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【楽待などの物件ポータルサイトの利益構造】

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【コンサル大家の利益構造】

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3.プロの仕入れ金額設定術

さて、皆さん不動産のプロは
どういった目線で仕入金額を決めているのか気になりますよね。
業者目線の利益率も含めて解説します。

【業者目線の利益率】
転売:利益率10%
(例) 1億円で仕入れ➡1.18億円で売却

開発:利益率10%~20%
(例)1億円プロジェクト➡1.2億円で販売
(例外) 新築1Rは利益率30%

【買取り・再販業者】
☆エンドの購入想定金額(=出口金額)を設定し、
 諸費用や利益を抜いて仕入れ額を算定する

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【三為業者】
☆業者は一度も所有しないため
 【流通税(取得税、登記費用)】
 【借入時の手数料・利息・設定費用】がかからない

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【収益マンション・アパート開発業者】
☆エンドの購入想定金額(=出口金額)を設定し、
 諸費用や利益を抜いて仕入れ額を算定する

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4.不動産屋のウラ事情

====================
※注記※
以下の話は、大手不動産業者ではなく、楽●や健●家などで
物件を紹介している売主や販売業者を対象としたものです。
大手は、自社で開発してそのまま保有もするし、
買い取ってしばらく保有して数年後に売却ということも行っています。
====================

■「なぜ不動産業者は自社で収益物件をもたずに
 エンドに売る必要があるの?

 自社でもってキャッシュフローを得る方がいいのに・・・」

という質問がよくありますが
業者はなぜ保有しないのか?
それには3つの理由があるんです。

1.長期融資を組みにくいから
2.保有することによりB/Sを毀損するから
3.転売益で稼いだ方が早く拡大できるから

どういうことか、解説します。

【1. なぜ長期ローンが組めないのか?】
財務状況が金融機関からみたとき信用が低いためです。
    
不動産業者に関わらず
後ろ盾もなく開業したばかりの新設法人が
1~2億円のローンを組んで、不動産を保有することは不可能
新設まもない業者は実績も安定もないから。

ちなみに、
短期ローン(1年程度のプロジェクト融資)で組むと
期限内に元金を返済しなければならない!
    ↓
>>赤字でも売る!<<
となるんですね。

では、なぜ一般投資家は
財務内容が弱いのに長期ローンが組める
のでしょうか?
その理由は

< 本業の与信でカバーできるから >

です。
だから、すぐに本業をリタイアしてしまうことは
おすすめしません。

【2. 保有することでB/Sが弱体化】
1億円の物件を借り入れで購入・保有したとすると
税引後キャッシュはわずか2~3%
    ↓
負債に対して
資産が少なすぎるため
財務状況はさらに弱くなるんです。

【3. 急がば持つな!売れ!】
立ち上げたばかりだったり、財務状況が弱い業者は
まず転売益で稼ぎ純資産を厚くすることが先決のため
保有せず「売る」んです。
    ↓
保有して毎月のキャッシュフローを積み重ねるより
売買の方が利益のインパクトが大きいため

■なぜ不動産会社の従業員は
 自分で収益物件を買わないの?


不動産会社の従業員はなぜ不動産投資しないのか?
という質問もよくありますが、
しないのではなく、「できない」んです。

①収益物件購入のためのローンを組むには
 属性が低い&歩合制のため安定性に欠ける(*住宅ローンはOK)
②自社で利益を得られるものを
 あえて個人で買うことは道義的にNGとされているから

①例えば
彼らが不動産投資のためのローンを引いたとして、

1棟目で
オ○ックスで借りようとすると
頭金最低3割が必要

となります。
・・・無理ですよね。

また、
不動産業者は稼いでいるように見えるかもしれませんが
お金をもっていません。
なぜなら稼いだお金は全部使ってしまうから
。(特に夜)


②そして、何よりも
自社が利益を出せるものは
自社で取り扱いますよね。

不動産屋が不動産投資をするために
申告をしたとしても、  
従業員が不動産投資に参入すると
社内で競合関係が生まれてしまいます。
    
・・・常識的にNGですよね?

まとめ

・不動産業界で稼ぐには大きく分けて「売買」と「賃貸」がある

・不動産投資の世界では必ずしも
 すべてのビジネスプレイヤーが「投資家」の味方ではない

・業者は「いくらで売れるのか」を
 最初に決めてから仕入れ額を決定している

・不動産業者が物件を保有しない理由は、
 ①長期融資が組めないから ②B/S毀損の恐れ ③拡大戦略の1つである

・不動産業者の従業員は不動産投資しないのではなく、
 信用と安定性が低いことと道義的にNGのため「できない」

いかがでしたでしょうか。

この記事で業界の構造を知り、
不動産投資活動にお役立てください。

村上

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