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病院が取り組むべき内部環境への対策

本noteは、筆者が第73回日本病院学会(仙台)に参加して感じた個人的な備忘録である。

まず、本邦の少子高齢人口減少社会は、受療者を減らすと同時に、医療従事者の増加を抑制する。これによる影響は、病院の収入を抑制するとともに、医療従事者の高齢化による高コスト構造を招くことが推測される。
 第73回日本病院学会では、このような背景に対する外部環境のあり方についての議論があった。しかし、われわれが操作できるレバーは内部環境にあるため、ここでは内部環境に焦点を当てて端的に整理したい。

内部環境に対する対策は、医療が公定価格であるという状況を勘案すると、高コスト構造の持続的な改善であると考える。
 予測される病院の高コスト構造は、新規採用者数の減少に伴う医療従事者の高齢化および労働集約的で非効率なオペレーションに起因すると考えることができる。
 前者の医療従事者の高齢化は、単に人件費だけの問題ではなく、次世代の働き手不足による医療の持続可能性をも脅かす問題であると考える。また、次世代の働き手不足は、監督者(部署長)のプレイングマネジャー化を余儀なくし、次世代を育成するための教育の粗放化をも招きかねない。

以上のことから、病院が取り組むべき内部環境に対する対策は、採用の強化と省人化を前提とした業務改善および組織的で綿密な次世代の育成であると考える。
 これを実現するには、病院のブランディングと真のデジタルトランスフォーメーションに加え、科学的な人材育成ではないかと感じた2日間であった。

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