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リハ専門職としての最初の職場の選び方

私は、リハ専門職である作業療法士として社会人生活をスタートしました。今から約22年前になります。本稿ではその当時からこれまでを振り返り、リハ専門職としての最初の職場の選び方についての私見を整理します。来春にリハ専門職の養成校卒業を見込まれている学生の方々の参考になれば幸いです。

自分ではどうすることもできない条件を明確化する

私の知る限り、多くのリハ専門職の方の最初の職場選びの基準は、①住みたい場所からの通勤が可能かどうか、②身を置きたい病期と領域かどうか、③成長できる環境かどうか、の3点で職場を決めているように思います。①は、仕事する自分を支えるための「仕事以外の時間の過ごし方」に影響を与える重要な要素です。また、②は、仕事の楽しさや目的、可能性に影響を与える重要な要素です。この①と②を具体化することで、あなたが最初に選ぶ職場の候補は2つから3つ程度にまで絞られると思います。ただ、③については個人的には重要視する必要はないと感じています。それは、①や②のように「自分ではどうすることもできない条件」ではなく、「自分次第でどうにでもなる条件」だからです。

注目すべきは、強みの発信力と働いている人の関心事

自分ではどうすることもできない条件を明確化することで、あなたが最初に選ぶ職場の候補が2つから3つに絞られます。これらの職場に対しては、ホームページ等で外から覗(のぞ)いたり、就職説明会や施設見学等で中から覗くという2つの覗きをすることが必要です。外から覗くときに注目するのは、その職場環境の強みです。強みが明確な施設のホームページには、必ずその施設の強みが強調されています。この強みが感じ取れない場合は、他の施設に比べて強みがない(差がない)か、情報の発信力に課題があるのかもしれません。ただ、情報の発信力は企業の成長に影響する要因の一つであることは間違いないでしょう。一方、中から覗くときに注目するのは、働いている人たちの関心事だと感じます。新しい取り組みを行っているかとか研究実績が重要だという意見もあります。確かにそうかもしれません。ただ、新しい取り組みを行っているようでも「他でやっている新しいことを真似てるだけ」の場合が多く、研究実績が多くても「新規性に乏しいものばかり」という場合もあります。新しい取り組みや研究の起点となるのは、「働いている人の関心事」です。この関心事を聞くことで、対象者に対する働く姿勢やエネルギーに加えて、新しい取り組みや新規性の高い研究を行う職場風土かどうかをうかがい知ることができると感じます。

最初の職場があなたのリハ専門職としての基盤をつくる

2つから3つに絞られた職場を外と中から覗くことで、働きたい職場の優先順位が明確化すると思います。その優先順位の論拠が、そのまま「あなただけの志望の動機」となります。22年のリハ専門職の人生を振り返ってみて、どのような選択をしても、結果的には「必然的」で「有意義」な選択として認識されるだろうと感じます。でも、私の経験や周囲のリハ専門職の方々を見ていて感じるのは、「最初の職場がその人のリハ専門職としての基盤をつくる」という確信です。あなたが目指すリハ 専門職には、どのような基盤が理想的ですか?そういう意味で、最初に選ぶ職場はとても大切だと思います。

最後に、どのような選択をしても、結果的には「必然的」で「有意義」な選択として認識すると感じる根拠となる筆者の記事を以下に添付します。合わせてお読みいただけると幸いです。


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