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【ライブレポ】Helloween - United Forces 2023 @日本武道館

海外バンドの来日公演を観に行くのは気付けば半年振りですが、今回観に行ったのは言わずと知れたジャーマン・メタルバンドHelloweenです。


もはやHelloweenについての説明は不要だと思いますのでバンドの経歴等は割愛しますが、個人的にはかなり思い入れ深いバンドです。

私がOzzy Osboruneの1stをきっかけにメタルを聴き始めた中3の時(2011年)、Judas PriestやIron MaidenやMetallicaに辿り着いた次に聴いたのがHelloweenだったのを覚えています。

最初に聴いたのはまさに『Keeper Of The Seven Keys Part Ⅱ』だったと思いますが、その衝撃たるや、同じ経験をしたことがある人であれば理解に難くないでしょう。

高校時代も含めると、イングヴェイやChildren Of Bodom、Stratovarius、In Flames、At The Gates等に並んで、最も好きなバンドの1つで、本当によく聴いたものですが、実は今の今までちゃんとライブを観たことが無いバンドだったのです。


2013年のGamma Rayとのカップリングツアーも行きたかったのですが、結局初めて観に行ったメタルのライブはChildren Of Bodomとなり、LOUD PARK 2015でもCarcassを観たためHelloweenはラストのI Want Outをやってるところしか観れず、2018年の来日も行かなかったため、今回の来日はまさしく念願の来日参戦となったわけです。

チケット出てすぐに買いました


さて、前置きという名の自分語りも程々に当日の様子をレポートしていきたいわけですが、今回の会場は今年のMegadethの時も行った武道館です。

物販でめちゃくちゃ並ぶであろうことはMegadethの時を踏まえると容易に想像が付きましたし、実際にかなりの列だったようですが、なんと今回は喧嘩騒ぎも起きたとか…。


私が武道館に着いたのは17:40頃で、もう既にかなりの人だかりでしたが、指定席というのは本当に有り難いですね。
早めに行って最前を確保するという必要性が無いだけでストレスフリーです。

今回はすぐにチケットを買ったおかげで、抽選でアリーナ席だったわけですが、武道館でアリーナ席なんて初めてだったのでどんなものか楽しみだったのですが、期待を裏切らない良席でした。

アリーナ席


まぁ前方のプレミアムシート(30,000円)はもっとよく見えると思うのですが、Megadethは2階席で見たので、その違いを大いに感じることができました。

写真だとメンバーが小さく見えますが、肉眼ではきちんと見えるような位置だったので、個人的には充分でした。


会場に入ったのが遅かったもあり、席でしばらく待っていると、あっという間に18時を過ぎ、いよいよライブがスタートしました。

当日のセットリストは以下の通り(setlist.fmより念のため引用)。
ここでは曲名だけを列記しています。

Setlist:
1. Skyfall
2. Eagle Fly Free
3. Mass Pollution
4. Future World
5. Power
6. Save Us
7. Metal Invaders / Victim Of Fate / Gorgar / Ride The Sky
8. Heavy Metal (Is The Law)
9. Forever And One (Neverland)
10. Best Time
11. Dr. Stein
12. How Many Tears
~Encore~
13. Perfect Gentleman
14. Keeper Of The Seven Keys
~Encore 2~
15. I Want Out


2021年にリリースされたセルフタイトル作を代表する長尺名曲『Skyfall』で幕開けしたわけですが、ステージ上にマイケル・キスクカイ・ハンセンも含め、あの7人がいると思うと、思わず感極まってしまい涙が溢れてしまいました

武道館でJudas Priestを観て泣く男性の図。同じく武道館でHelloweenを観た私はまさしくこんな感じでした。というか私Judas Priestのライブ(2018年)でも涙しましたね…。


上述したように念願だったわけですから、目頭が熱くなるというのは納得いただけるかと思うんですが、それが『Skyfall』だったというのもあったと思います。

現体制でリリースされたセルフタイトル作が、2015年作で見られた迷いを吹き飛ばすかのような快作で、2年前本当に感心したものですが、そんなリユニオンを象徴するような曲で始まったとなるとやっぱりグッと来ない訳が無かったです。


続く『Eagle Fly Free』は、彼らといえばこの曲というような神曲で、意外と早くやるんだなと思ったものですが、まさにマイケル・キスクの独壇場といった具合で、外見は当時とかなり変わってしまっていますが、その歌唱力は本当に衰えを見せておらず、これまた熱くさせられてしまいました。


3曲目は『Mass Pollution』で、こちらは1曲目と同じく目下最新作から。
彼ららしいキャッチーでノリやすい曲で、ライブで観ると更に良い曲だなと発見がありました。
やっぱり曲名をサビで言うのは分かりやすくて良いですね。


続いては守護神伝第一章より名曲『Future World』で、こちらもマイケル・キスクが当時と変わらぬハイトーンを聞かせてくれて素晴らしかったです。


演奏に関してですが、こちらはもう言うまでもなく安定しまくっていて、もはや何か言うのも烏滸がましいくらいですが、各メンバーも楽しそうに演奏していて良かったですね。

音響もまぁ武道館なのでめちゃくちゃ良いというわけでも無いですが、何やってるか分からないということは全く無く、しっかりと楽しむことができました。


さて、5曲目はアンディ期の大名曲『Power』でした。

これまでマイケル・キスクばかりでアンディ・デリスにあえて触れていませんでしたが、彼もまたキスクに負けず劣らずの実力者であるということは皆さん知っての通りだと思います。

3曲目もアンディでしたが、やはり彼の特徴のある歌声は唯一無二ですし、キスクよりもロック然とした立ち振る舞いはとてもカッコ良く、彼もまたHelloweenの「顔」だなというか、彼の方が在籍期間は全然長いので、むしろ彼の方がHelloweenのフロントマンだよな、というのは彼のパフォーマンスから感じさせられました。


6曲目は『Save Us』で、個人的に意外な選曲でしたが、setlist.fm見ると最近は普通にやってる曲なんですね。

これまたマイケル・キスクが全く衰えを見せぬハイトーンを披露していて(どうしても彼のこと書いてしまいますね)、流石過ぎました。


小休憩でコミカルな映像が流れた後、次は何だろうと思っていたら…

まさかのカイ・ハンセンがフロントマンとして登場

フロントマンとしてもカッコ良い男、カイ・ハンセン


事前情報は何も見ていなかったので、これには驚きました。

いや、彼が主体で歌うことはあるだろうなとは思っていましたが、ギターを持たず歌うのは予想外で、しかも歌も絶好調でした。(まだまだGamma Rayできるのでは…?)

しかも最初期曲のメドレーです(カイが歌うので当然ですが)。
Victim Of Fate』のみ1985年作セルフタイトルEPからで、残りは1stアルバム『Walls Of Jericho』からなわけですが、武道館で80年代スピードメタルの名曲達で盛り上がれることなんてこの先無いと思います。

更には『Heavy Metal (Is The Law)』はフルで演奏。

カイ・ハンセンと『HEAVY METAL』の掛け合いが出来たの本当に嬉しすぎたし、間違いなくこの日の1つのハイライトだったと思います。


カイ・ハンセン大活躍の後は、再びマイケルとアンディが登場し、軽いトークタイムを挟んで、バラード曲『Forever And One』が始まりました。


しっとりとしたバラードということもあり、「スマホのライトを付けて〜」と言われたので会場内は一気に明るくなりました。

もちろん私も掲げましたが、会場内がライトで埋め尽くされた光景は素敵でしたし、こういう経験はなかなかすることが無いと思うので、印象深い一幕でした。

本人達も言っていましたが、Helloweenはこういう楽曲の幅広さも魅力の1つですね。


続いては、サシャ・ゲルシュトナーのギターソロタイム。

カイ・ハンセンが戻ってきたことで、マイケル・ヴァイカートとカイの2人がどうしても注目されてしまうと思いますが、サシャも20年バンドを支えてきたギタリストで、そんな彼にスポットライトが当たる時間が設けられているのはとても素敵だなと思いました。


一番若いということもあって、テクニシャンであるにも関わらず随分控えめな印象だったサシャですが(終わり際にも「皆さん私のこと知らないかもしれませんが20年バンドにいます」と言っていました)、ソロタイムのみならず、他の曲のギターソロの時などでも、特徴的な形状のギターやクールな容姿も相まって、古参組に負けず劣らず非常にカッコ良かったですね。


11曲目は2021年作から『Best Time』を演奏。

この曲もまた良い曲なのですが、最新作からの選曲はここまでで、本音を言えば『Out For The Glory』や『Fear Of The Fallen』も観たかったですね。


12曲目は往年の名曲である『Dr. Stein』で、彼らの特徴の1つであるコミカルさを押し出した曲で、バックで流れてる映像も相まってとても楽しかったです。


アンコール前最後を飾ったのは1stの超名曲『How Many Tears』でした。

個人的にも大好きな曲で、少し前のメドレーの時やらなかったので、もしやらなかったらどうしようと一瞬思いもしましたが、しっかりと演奏してくれて安心しましたね。

歌メロからリフ、ギターソロ、曲展開すべてにおいて本当に素晴らしい名曲をマイケルとアンディの歌声で(原曲はカイです)最高でした。


『How Many Tears』を終えると、早いものでアンコールの時間になってしまいました。

アンコール1曲目は『Perfect Gentleman』で、個人的に意外な選曲でしたが、近年よくやってるみたいですね。


同曲が入っている『Master Of The Rings』はアンディが初加入してからの名盤で、守護神伝リリース後に迷走気味だったHelloweenを復活させた作品ですが、同アルバムからは個人的には『Sole Survivor』や『Where The Rain Grows』も観たかったですね。

というかアンディ期の曲はこれがラストでしたが、良いアルバムや良い曲がたくさんあるので、やっぱり昔観に行っておくべきだったなと…思わずにはいられないです。

まぁそれはさておき、この『Perfect Gentleman』ですが、ライブで観ると印象がかなり違って、しっかりとライブ向きの曲でしたね。

分かりやすいコールアンドレスポンスができる曲は強いです。


続くアンコール2曲目は大作『Keeper Of The Seven Keys』で、これにはめちゃくちゃテンション上がりました。

神盤『Keeper Of The Seven Keys Part Ⅱ』に入っているこの曲、13分以上もある長尺曲なのですが、圧倒的な曲構築で、長さを感じさせない名曲なのですが、ライブでもドラマティックに展開していく様子は感動させられましたね。

もう曲展開が身体に染み付いていて全部覚えていたのもあって、次々と進行していくのが手に取るように分かりつつも、その豊かな展開の数々をとても楽しむことができました。


正直ここで終わりでも良いくらいの満足感がある演奏だったのですが、ここでアンコール第二弾。

その幕開けはダニ・ルブレのドラムソロタイムでした。


これまで堅実に安定感抜群のドラミングをしてきたダニでしたが、ドラムソロでもその実力を存分に発揮していて、迫力満点でした。

これまで位置的にあまり見えなくて全然気付かなかったのですが、彼は相当に情熱的なプレイヤーで、ドラムソロ中に叩くのを止めてマイク無しで会場内に聞こえるくらいの大声で叫ぶ一幕もあり、会場を沸かせていました。

サシャより2年遅れて加入し、サシャの次にバンド内で若いダニですが(と言っても50歳)、彼のソロタイムが用意されていたのも良かったですね。


そしていよいよ本当に終わりの時間が近づいてきて、ラストを締め括ったのはやはり『I Want Out』です。

彼らの代表曲の1つで、とてもキャッチーな名曲ですが、なんとカボチャの形をした風船が出てきて、より一層楽しい雰囲気となりました。

デカ風船たちが会場内を飛び跳ねていましたが、私の席には飛んできませんでした…。


ここで、ここまで色々書くことがあって最後までほぼ触れることが出来なかった2人について、手短にはなってしまいますが書きたいと思います。

まずは、マーカス・グロスコフ

ダニと一緒にバンドの屋台骨を支えるベーシストで、なおかつヴァイキーと共に結成以降一度も脱退せずバンドを支えてきた功労者です。

人数が多い分、どうしてもボーカルやギター隊に目が行きがちなバンドですが、マーカスもカボチャ・ベースと共に存分に目立っていました。

『Eagle Fly Free』のベースソロ等の見せ場でも、しっかり存在感を示していてカッコ良かったですね。


残る1人は、マイケル・ヴァイカート

だいぶ上の方でも名前は挙げていましたが、きちんと触れるのは最後になってしまいました。

しかし彼はマーカスと共に結成以後ずっとHelloweenを支えてきて、彼ら抜きでは存続し得なかったと思うのですが、ヴァイキーはギターということもあってやはり見せ場が多く、特にカイ・ハンセンとのギターソロの掛け合いは最高でした。

クールで落ち着いた雰囲気ながらも、しっかりと魅力的な演奏をする様子は、やはり長年バンドを支え続けてきただけありました。


いよいよ『I Want Out』も終わり、『March Of Time』とか『I'm Alive』とかも観たかったなと思いつつも、大団円で2時間15分ほどのライブが終了したわけですが、これだけ充実した内容を見れたので、もう言うことは無いです。

メンバー全員年齢を感じさせないフレッシュな演奏をしていて、なおかつ全曲知っていて思い入れ深かったので、個人的には大満足のライブでしたね。


惜しまれながらも終演を迎え、いそいそと武道館アリーナ席から外に出ると、まだ物販が展開されていたため、行く前は買うつもり無かったものの、シャツとリストバンドと扇子をゲットしました。


当日の様子を書きつつ私自身の感想も随所に散りばめたので、まとめは簡潔に書きますが、今回久々の来日公演参戦となったHelloweenや、3月に観たEmperorなど、今年に入って高校時代によく聴いたバンドのライブを観ていて思うのは、この歳になってくると「あの頃好きだったバンド」のライブを観るのがいかに楽しいかということですね。

これまで結構家で音源聴くタイプで、ライブ参戦に重きを置いてこなかった人生でしたが、今後も特に昔本当に好きだったバンドのライブは積極的に観に行きたいなと思っています(Iron Maidenとか来てくれませんかね…)。


Helloweenに関しては、まだまだライブ活動できると思いますし、近いうちに是非また来日して欲しいですね。何が何でも観に行きます。

繰り返しになりますが、今回のHelloween来日は本当に行って良かったなと思える楽しいライブでしたし、人生でもトップクラスの思い出に残るライブでした。


それではまた。

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