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ヒットするビジネスは「やだなー」から生まれる

いろんな場面でふと「やだなー」と思う瞬間がある。
その「やだなー」をみんなから集めた本。

たとえば、
「コンビニに変化球のおにぎりしか残ってないとき」
あるある〜。
サンドイッチ高いからおにぎりにしよ、っと思っていたらチキンライスおにぎりしかなかった、とか。

「どの唐揚げ屋さんもなにかしらのグランプリや金賞を受賞していること」
わかる。
「豚部分が少ない酢豚」
そう。けっきょく濃ゆいとろみのついた野菜で白飯食べてる、みたいに。

「タルトの底が硬すぎて、切るときにお皿をガタンって鳴らしてしまうこと」
「食券機のお店で、後ろに人が並ぶとメニューを吟味できないこと」

以上、<食のやだなー>。

<生活のやだなー>は、
「シャンプーとコンディショナーのなくなるタイミングが同じじゃないこと」
「花を捨てるとき」
「ライブでアーティストといっしょに全曲歌う人」

<仕事のやだなー>は、
「『自由参加』といわれる会社の飲み会」
「名刺交換しただけなのに、その後ずっと営業メルマガが送られてくる」
「自分一人しか顔出ししてないzoom会議」

<SNSのやだなー>は、
「旅行の計画をしているときにレスが遅い人」
そう! これは困る。やだ。
予定が未定だとか迷ってるときとかストレートに断ったら角が立つと思っている人たちのために「△」も選択肢として提示しているのに、
無音のまま、リマインドするまでレスしない人。

「SNSはすべて私事なのに『私事ですが……』から始まる結婚報告」
あるわ〜〜。
結婚報告じゃないけど、大学生も「私事ですが……」っていう書き込みをするけど、
学生はすべてが私事なんだって。

で、著者でクリエイティブディレクターの明円卓さんは、
ただ「やだなー」を集めるだけではなく、
「やだなー」からアイディアを得て、何事かをつくっていくことを勧めている。
たとえば、
「名刺交換しただけなのに、その後ずっと営業メルマガが送られてくる」
に対しては、
「メルマガの送付お断りと書いた名刺をつくる」
まあ、普通の会社員ではそんな名刺つくれないだろうけど、
アイディアとしてはわかる。
その人にキャラがあれば、あいさつするときにその名刺を差し出して、
「メルマガの送付お断りですので、よろしくです!」
とかいうと、一気に心理的安全性が高まる。
(相手にもよるか……)

世の中にある商品やサービスも、誰かの「やだなー」を解決するために生まれていることが多く、「やだなー」にはアイディアのヒントが潜んでいるのです。

『やだなー本』p28

そうだよなー。


『やだなー本』 明円卓 KADOKAWA 2023年