見出し画像

大家族なのに育児も介護もワンオペ

元ヤングケアラーのRさんにヒアリングできた。

彼女は20歳のときから3年間、
2人の乳幼児の子育てをしながら、
要介護度5の祖父の介護をした。

なので、ヤングケアラーではなく「ヤングアダルトケアラー」にあたる。
ヤングアダルトケアラーにはこの、
介護+育児
パターンはけっこうある。

Rさんの場合、お家には祖父と祖母、父と母と弟、夫と2人の子ども、が同居している。
こんだけいて、介護も育児も一人でしていた。

まず、祖父と祖母は昔から仲が悪い。
祖母は祖父についてノータッチ。

母は実は継母で、実父と継母の間に弟がいる。
父母ともに外で働いていて面倒見てくれない。

核家族から妻の実家で3世代住居になった夫は、
介護も育児もまったく手伝ってはくれない。

Rさんは、幼いときに母親を亡くした。
そのときから、祖父がなにかと世話をしてくれた。
身の回りのこと、学校行事など、
祖父が母親代わりだった。

なので、祖父が認知症になって、
その度合がどんどん進んでいいったとき、
自分から介護をするよう手を上げた。

けど、介護はしなことがない。
見よう見真似と、デイサービスのケアマネジャーから教わった。
いってみれば、自己流の介護をしていた。

祖父の認知症は介護度5まで進み、
調子がいいときはひ孫(Rさんの子たち)の世話もしてくれたが、
ひとたびスイッチが入ると大声を出して言動が荒っぽくなる。

朝が一番大変で、まずは朝食。
両親は祖父といっしょに食べるのを嫌い、
祖父を別部屋で食べさせるよう求める。
祖母はまたそことは別の部屋で食事。
子どもの保育園にいく準備と、
祖父の着替えと食事とデイケアにいく準備。

祖父が亡くなるまで3年間、これが毎日続いた。

これは「家族として当然のこと」「家族としてみんなやってること」なのか。
一般的にヤングアダルトケアラーの問題点として、
・将来の計画の制限
・人間関係の影響
・自己実現の難しさ
・十分な休息とリラクゼーション
・支援制度の複雑さ
・社会からの孤立
・経済的な長期的影響
・介護に関する教育やトレーニング不足
などがある。

Rさんの場合、休息もままならない、
友人たちとの交流は自宅まで来てもらっていた。
介護に関する知識はないまま、だからちょっとチカラワザ的なこともしていた。

大家族なのに、育児も介護もワンオペだった。

いまは子どもたちも育ち、
祖父がお世話になったデイサービス施設で働くようになった。



<要介護度5 とは>【ChatGPTを使ってみよう】
要介護度5は、日本の介護保険制度における最も重度の要介護状態を示します。この状態の人々は、日常生活のほぼすべての場面で全面的な介助が必要となります。具体的な介護内容や必要とされる支援の程度は以下の通りです:

1 日常生活全般の支援:

・食事: 自力で食事を摂ることができないため、食事の介助や経管栄養が必要となることがあります。
・排泄: トイレの使用やオムツの交換など、排泄に関する全面的な介助が必要です。
・入浴: 入浴や清潔保持のための介助が必要です。入浴は特にリスクが高いため、専門的な支援が求められます。
・移動: 車椅子の操作やベッドからの移動など、全ての移動において介助が必要です。

2 医療的ケア:

・医療処置: 経管栄養、吸引、点滴などの医療的ケアが必要となることがあります。
・服薬管理: 薬の管理や服薬の介助が必要です。

3 精神的・認知的ケア:

・認知症のケア: 認知症の進行に伴う行動や心理的症状(BPSD)の管理が必要です。
・安全確保: 自傷他害のリスクがある場合、常時見守りや安全対策が必要です。

4 その他の支援:

・社会的活動: 外出や社会参加の機会を提供するための支援が求められますが、要介護度5では外出が困難な場合が多いです。
・家事: 日常の家事全般(掃除、洗濯、調理など)の支援が必要です。

要介護度5の方々は、24時間体制の介護が必要とされることが多く、専門的な介護施設でのケアや、在宅の場合は家族や訪問介護サービスによる手厚い支援が不可欠です。また、介護者にとっても大きな負担となるため、適切な支援体制を整えることが重要です。