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公園のあるレストランであって、 公園の中にあるレストランではない

釜石に「こすもす」という<公園のあるレストラン>がある。

もともと、地元の野菜を食材にした農家レストランで、
目の前の畑全面にこすもすを植えて、
花が咲いたこすもすを眺めながら食事をするのが評判になり、
釜石のはしっこにあるんだけれども、人気のお店になった。

震災で幼稚園や学校の校庭にも仮設住宅が建ち、
遊ぶところがなくなった子どもたちのために、
こすもす畑をつぶして、公園にした。

こすもすは、公園のあるレストランになった。

公園に接している工場の壁一面に絵を描いて、
希望の壁画、と名付けた。

こすもすは、希望の壁画のある公園のあるレストランになった。

釜石中の幼稚園、隣町の大槌町の幼稚園から子どもたちがやってきて、
週末はその子たちが家族と一緒にやってきて、
復興ボランティアの人たちもここでご飯を食べ、
公園の整備も手伝った。
キャンドルナイトなどのイベントや、
佐渡裕さんとスーパーキッズオーケストラの演奏会もやった。

こすもすは希望が集まるところだった。
けれども、日が経つにつれて忘れられてきて、
コロナでしばらく閉園してる。

雪のこすもす公園

使われなくなった公園は少し寂し気で、
オーナーの藤井さとるさんとさえこさんも70代半ばを過ぎ、
ちょっとしんどくなってきているかもしれない。

政権が大好きな「自助・共助・公助」でいえば、
共助でやってきたときもあったけど、ずっと十分に自助でやってきた。

政権がドヤ顔で付け加える「そして絆」でいえば、
絆でつながっている人たちは多い。

10年がたち、新しいステージを用意する時期になっている。

公園のあるレストランであって、
公園の中にあるレストランではない。