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タクシー乗り放題はすばらしい、けど

釜石では妊娠したら、となりまちの病院にいかないといけない。
釜石には産婦人科の病院もなく、医者もいないから。

だから大変。
だから市は移動に対して補助のお金を出していた。
妊婦さん一人に対して最大5万円。

今朝の新聞によると、その5万円の上限を取っ払うらしい。
すばらしいことだ。
自分の家のクルマで通う場合は、
大船渡の県立病院なら3,000円、
盛岡などなら5,000円、
タクシーなら全額。
(「岩手日報」2024年4月27日付)

これまでは自家用車の場合、定額ではなかった。
タクシーは片道10,000円を超えるから、
2回使えば、5万円の上限に達していた。

だからなのか、2022年度のタクシー利用は2件しかなかった。
ほぼ、家庭の努力にお任せの妊産婦施策だった。
補助するお金の上限がなくなれば、
みんなタクシーでいけばいいし、
タクシー会社も潤うし。

これはすばらしい。
だけど問題もあって、
「出産後6ヶ月以内の申請で、まとめて支給する」
とある。

つまり、赤ちゃんが生まれるまでは自分で仮払いして、
あとで精算する。
一回往復2万円を何回も支払い続けないといけない。
一回往復2万円を何回も支払い続ける余裕がある家庭ならいいが、
そうじゃない場合は、やっぱり自分で運転して、
あるいはパートナーや親族がクルマで送っていかなくてはいけない。

タクシーチケットを母子手帳の交付と同時に手渡せばいいのに。
タクシーから降りるときに金額を書き込む式のタクシーチケットを。

それじゃ予算をオーバーするのなら、
大船渡病院までの定期便のワゴンタクシーを運行するとか。

本人、家族の自助によらない、公助のこども施策をしないと、
釜石は、2050年には若い女性が61.8%も減ってしまう消滅可能性自治体だ。
釜石は適齢の女性から選ばれない自治体だ。

惜しいなあ。
上限撤廃、まではよかったんだけど。

でも上限撤廃まで進んだんだから、
あと一歩、ってことでもある。

一年間で生まれるこどもが100人を下回っている釜石だ。
思い切ってタクシー乗り放題にしてみたらどうか。
どれくらいタクシーを使ってくれるか、
やってみないとわからない。

それで、安心してこどもを生み育てられるまち釜石、
になるなら試してみる価値はある。