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「一人ひとりが学びあい、世界とつながり未来を創る」っていう街づくり

NEXT KAMAISHIの勉強会をオブザーブさせてもらった。
テーマは、「かまいし未来づくり委員会」の1年間の活動について。

NEXT KAMAISHIは、2011年の震災から立ち上がるために、
地元の30〜40代の主に事業主や、
その跡取りたちが中心になって立ち上げたグループ。

2012年の設立当初の掲示板には、

思いだけの素人たちが、ありったけの勇気を振り絞って立ち上がりました

と書いてある。

釜石市は2021年、今後10年の総合計画をつくる。
その土台となるプランを市民から集めよう、ということで、
市民から公募して62人を委員として選んだ。
20代から70代まで、職業もいろいろ。
市の職員からいわせれば、この幅広さは
「珍しいこと」
らしい。

自治体に限らず、わたしが見える範囲聞こえる範囲の組織では、
中年から高齢の男性が、あんまし楽しくなさそうに誰かの話を聞いてる、
というのが◯◯委員会、だと思っているので、
たしかに20代から70代まで、職業もいろいろ、というのは、
たとえば東京の渋谷区や文京区のように、
首長と若手NPOなどとのコミュニケーションがとれているところ以外では、
かなりのレアケースかもしれない。

一方で、被災地ではよく中学生や高校生と、
街の大人たちがいっしょになってワークショップをする光景がよく見られたけれど、
あれはいったいどうなったんだろう……、
という気がしないでもないけど……。

ともかく。
未来づくり委員会では、
保健福祉、教育文化、産業雇用、生活環境、危機対応、地域づくり
の6部会に分かれて、
2019年12月から今年の11月まで、
11回の委員会が開かれ、提言書を釜石市長に手渡した。

今回の勉強会は、そのプロセスはどうだったかの報告がメイン。

NEXT KAMAISHIの初代会長で、
この「未来づくり委員会」の委員会だった青木健一さんの報告、
各委員会に所属していた会員さんたちの報告を聞いていると、
かなりガチで話し合った様子がうかがえた。

多様な人たちが集まって話し合うと、なかなかまとまらない。
同質の人たちが集まって話し合うと、スムーズにまとまっていく。

多様な人たちからは、時間がかかるけど、
これまでになかったような結論が出される。
同質な人たちからは、時間はかからないけど、
これまで通りの結論が出される。

青木さんの話では、当初から時間が足りない予感があり、
会合を重ねても意見は出るけれども集約することが難しく、
市長は「前例にとらわれるな」とはっぱをかけるが、
途中新コロの事情も加わってのこともあるんだろうけど、
市の職員の相互援助はほとんどなく、
市の議員は協力を拒み、
第6回の委員会からは、委員会判断で小委員会をつくって、
怒りの声も飛び交わせながらも、意見をまとめようとしていた。

なんか、青木さんやNEXT KAMAISHIの人たちの報告を聞いていると、
委員会に集まった人たちに対するリスペクトが、
言葉のはしばしに感じられる。
大変だったんだけど、自分たちで乗り越えられた安堵感もあるし、
自信にもつながっているんだろう、
あらゆることへの愛情が言葉にのっかってくる。

話し合って決めた「目指すべき将来像」は、

一人ひとりが学びあい 世界とつながり未来を創るまち かまいし
多様性を認めながらトライし続ける不屈のまち

となった。
提案書は11月26日、市長に手渡され、
総合計画の土台になる、予定。

リスペクトがなければ、多様性はない。
多様性がなければ、未来はあやしい。

バックミンスター・フラーの言葉を、やっぱりここでも思い出した。
「富とは、わたしたちが将来世代に残せる日数のことである」

って、勉強会の最後にちょこっとコメントさせてもらったら、
「バックミンスター・フラーの本、読みました」
というチャットが書き込まれた。
うれしかった。