勝手にヨロンマラソン

勝手にマラソン、勝手にパーティ

やっぱり走ってる。

わたしも、走っている。

ヨロンマラソンは、ハーフが島1周、フルがそれを往復する。
だから、ハーフを走る人は、フルを走る人たちとすれ違う。
すれ違うとき、
おつかれさま!
がんばりましょ〜!

と声を掛け合い、
ハイタッチや「いいね!」を届ける。

そりゃホンモノのヨロンマラソンに比べるべくもないけど、
たま〜に、それでも5〜10分に1人(組)とすれ違う。
でも同じ。
おつかれさま!
がんばりましょ〜!
と声を掛け合い、
ハイタッチや「いいね!」を届ける。

地元の人たちも、クルマの窓から
がんばって!
と声をかけてくれる。

給水所までつくってくれていた。
冷たいお茶、お水。
フルーツ、梅干し、ゴーヤ。
おにぎり。

「だろうなあ、と思っていたら、
ホントに来てるっていうから、走りに。
昨日慌てて準備したよ」

これだよな〜、ヨロンマラソン。

天気予報は、2日前に「雨」から「曇り」に変わっていた。
走っていると、10時過ぎ、陽がさしてきた。
気温も上がってきた。
真っ白ビーチ、青い空、青い海、
水平線の向こうにはうっすらと沖縄が見える。

これだよな〜、ヨロンマラソン。

すれ違いざま、ハイタッチしながら
「4時から、いつものビーチで、持ち寄りでやるよ」
と。
え!
知り合いではないが、そう声をかけられた。
早口だったが、にこやかに。

完走パーティ、やるんだ。
前日、居酒屋海将でランナーから聞いていたけど
自主的に完走パーティ
ホントにやるんだ。

ヨロンマラソンは、
ウエルカムパーティ、マラソン、完走パーティ
の3部構成になっている。
離島へのアクセスの常として、
日帰りがしにくい。
スタートは9時と11時、その時間に間に合う飛行機も船もないから、
必ず前日入り。
当日走って、急いで帰る人はまれ。
なので、2泊3日が標準コース。
なので、前日のパーティ、当日もパーティ。
晴れていれば、完走パーティはステージがあるビーチで、
地元出身のミュージシャンが歌って、
みんなで踊って、大騒ぎする。

歌も踊りも大騒ぎもないけど、
酒とつまみを笑顔を持ち寄って、
手作りの完走パーティをやろう、と。

で、午後4時をめざして歩いていたら、
クルマが停まって、
「完走パーティ?」
はい。
「乗って(^^)」

企画したニシノさんという人だった。
たったいま、フルを走り終えたばかりだと。
7時間ぐらいかけて、ゆっくりと。

ビーチに着いたら、ちょうど4時になった。
乾杯してると、つぎつぎと集まってくる。
くるたびに乾杯。
また乾杯。
また乾杯。
みんな知らない人たち。
だけど、ヨロンマラソン10回目も20回目も
初めて参加する人も。

ニシノさんが沖縄から与論島への船の中で、
片っ端から声をかけたそうだ。
「勝手にヨロンマラソン、勝手に完走パーティしようよ」

東京と神奈川からの人たちが多かった。
毎年エントリーしているから来た、
結婚したばかりの妻が激推ししたので来た。

わたしはハーフをゆっくりと走ったが、
中には与論民俗村や赤崎鍾乳洞やら、
ちょうど百合ヶ浜という有名なビーチで遊んでいた、
ショートカットしてラクラクな走り方をした、
それぞれで、思い思い楽しんでいた。

そうした会話も、
「勝手に完走パーティ」のおごちそうになった。

勝手にヨロンマラソン、勝手に完走パーティ。
なんでこれができたのか。
マラソンは、与論島が好き、だから。
パーティは、一人の男性の熱意。

もし、東京オリンピック・パラリンピックが中止になったら。
規模もなにもかも違いすぎるが、
勝手に好きなスポーツの国際大会を開くのもありかも。
それぞれの身の回りで、日本人は日本代表、韓国人は韓国代表、
中国代表、アメリカ代表、フランス代表、などなど。
野球でもラグビーでもサッカーでも、
それぞれが思い思いの、勝手にオリパラすれば、楽しいだろうなあ。
好きと熱意があれば、それはできるだろう。