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こすもす公園が閉園した。
「役割は終わった」、と。

重要なおしらせ 下記の通り、公園は閉園いたしました 応援していただいたみなさまには感謝でいっぱいです つきましては、こちらのページも今月中旬で閉鎖いたします ご理解の程よろしくお願いいたします 10年間本当にありがとうございました!

Posted by 希望と笑顔のこすもす公園(釜石市) on Thursday, June 30, 2022

6月23日に、開園10周年を祝った。
一週間後、6月30日が最終日だった。

こすもす公園には、大きな壁画がある。
幅43メートル、高さ8メートル。

もとはとなりの工場のカベだった。
(いまでも工場のカベではあるけど)
うす黒く、いかにも町工場然としていて、
ある雨の日、遊びにきた女の子が、カベの様子をとても怖がった。
その日の夜、夢を見た。
大津波に襲われて、必死で逃げてやっとこさ助かった、
あの日の夢だった。

その話を知った公園のオーナーの藤井さん夫婦は、
そのカベにあかるい絵を描くことを心に決めた。

壁画を描くことを、工場の社長に語り、いろんな人に語り、
子どもたちに語り、
画家を探し、寄付を募って、
みんなが「希望の壁画」と呼ぶ、あかるい絵ができあがった。

その壁画は、近くを走っている釜石線の列車の中からも見ることができる(くらい大きい)。

わたしは東京から釜石に来るとき、
その壁画に「また来たよ」と心のなかで挨拶し、
東京へ帰るときには、「また来るね、ありががとう」といっていた。

うっかりしていると通り過ぎるので、
その場に来るまでソワソワソワソワして落ち着かなかった。

希望の壁画には、本名がある。
「再生 太陽の国」

たくさんのひかりがさす場所
こどもたちのわらい声がきこえる
しあわせをはこぶ鳥たちが空を舞い
ゆたかな大地をやくそくしてくれる
ここは太陽の国
こどもたちのたくさんの未来が
しあわせにつつまれるように
鳥たちはとびつづけ
再生の木々が芽をだす
       (画家 阿部恭子さん)

こすもす公園は、
復興期のこどもたちのために遊び場を提供する、
という目的を達成して閉園した。

けどこすもす公園は、太陽の国として残っている。

誰でも入れる太陽の国、
遊んでおしゃべりができる太陽の国、
明日へつなげる、恩送りの太陽の国。