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それぞれがそれぞれの持ち味を持ち寄って

むかしむかし、村に旅人がやってきた。

この村の石は、いい出汁がとれる。おいしいスープができそうだ。

村人はきょとんとした。

鍋を貸してくれ。

旅人は鍋を借り、水を張って石を入れ、沸かし始めた。
ぐつぐつぐつぐつ。
旅人は味見をした。

んんんん。美味い。

村人はきょとんとした。

にんじんがあれば、もっと美味くなる。

村人のひとりが、家からにんじんを持ってきた。
旅人は鍋の中ににんじんを入れ、味見をした。

んんんん。美味い。もっと野菜があれば、もっと……

いうが早いか、村人たちは、たまねぎ、じゃがいも、トマト、
いろんな野菜を持ってきた。
旅人は鍋の中にそれらをどぼんと入れ、味見をした。

んんんん。美味い。そうだ、肉があれば……

村人たちは、肉も持ってきた。
旅人は鍋の中に肉をどぼんと入れ、味見をした。

んんんん。美味い。できた。

旅人は、できたスープを村人たちに振る舞った。
村人たちはびっくりした。

美味い美味い。美味い美味い。
すごい! 石でこんなおいしいスープができるなんて!!!!

村人たちは気がついていなかった。
石でスープがおいしくなったのではない。
それぞれが素材を持ち寄って、それでおいしいスープができたことを。

2012年に大隈塾のOGOBたちと会社をつくった。
大隈塾のイベントをやるときに、会費を集める。
会費が残ったり足りなかったりしたときもあった。
そのときの会計を明朗にするために。
現役の学生たちのプロジェクトやスタディツアーに援助金を出した。
そのときの会計を明朗にするために。

会社の名前を決めるとき、
友人のくにちゃん(島田久仁彦さん)から教わった、
「ストーンスープの物語」を思い出した。

それぞれがそれぞれの個性、才能を持ち寄ったら、
とってもいい社会をつくることができる。
資本主義は否定しないけど、
人財主義ってもあっていいじゃない。

大隈塾にはぴったりだ。
それで、会社の名前を「ストーンスープ」にした。

会社の所在地は、岩手県釜石市。