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ヒンドゥー教の祭典クンブメーラへ! 巡礼者が押し寄せるガンジス川で感じた神秘と危険/辛酸なめ子・魂活巡業

数千万人が押し寄せる巨大ヒンドゥー・フェス「クンブメーラ」へ身を投じる! 信仰行為の密集地で、なめ子さんが体験したものは……。
(ムー2019年5月号掲載)

文・漫画=辛酸なめ子 #魂活巡業

今回お邪魔したのは…

クンブメーラ/ヒンドゥー教の祭典。インドの4つの聖地で3年ごとに場所を替えて開催され、数千万人の出家者や巡礼者が訪れる。4つの聖地のなかで最も神聖とされるアラハバードでの祭典には、とくに多くの人々が集まる。

聖者に必要なのは超人的な体力!?

 5000年も前からつづく世界最大の祭典で、インド中の聖者たちが集うクンブメーラは、ユネスコの世界無形文化遺産に登録されています。
 2019年の会場、アラハバードにある沐浴場は、ガンジス川、ヤムナ川、サラスヴァティ川の3つが合流する重要な聖地。特別な日にここで沐浴すると、天国に行けるという説があり、インドの方々が殺到します。
 広大な会場は、普段は更地なのですが、この祭典のためだけに聖者たちがテントを設営し、弟子や救いを求める人々が集まります。交通手段は、裕福な人は自家用車。ほとんどの庶民はすし詰め状態のバスか、大荷物を頭に載せて延々と歩きます。行き帰りの道も修行のような祭典に、何億人も集うインド人の精神性の高さに驚かされます。

 沐浴日には、チャリオットという乗り物に乗った聖者と信徒たちが沐浴場までパレードする風習が。インド時間というか、スケジュール感がアバウトなお国柄で、日本人の聖者ヨグマタさんのパレードは朝3時半にキャンプを出発予定でしたが、あふれるチャリオットで大渋滞が発生し、実際に動きだしたのは8時半でした。もはや時間は存在しないという境地に……。

 多数の聖者が入った沐浴場には人々が殺到し、ラッシュ状態のまま川になだれ込みます。本当は頭まで3回潜って現在・過去・未来を清めるのですが、急に深くなる川の中で押されたら危険。たかのてるこさんの著書
『ガンジス河でバタフライ』ならぬ「ガンジス川で将棋倒し」になってしまいます。そこで安全策として足だけ沐浴。ガイドさんに「足だけでも大丈夫ですか?」と聞いたら「十分です」といわれたのでホッとしました。

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