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歴史の裏で秘密組織が暗躍!『アサシン クリード』のオカルト要素に接触/卯月鮎・ゲームー案内

書評家・ゲームコラムニストの卯月鮎がオカルト、超常現象、不思議が詰まった話題のゲームをムー的に紹介。このゲーム、ほかとはひと味違う!

文=卯月鮎 #ゲームー

『アサシン クリード ヴァルハラ』

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『アサシン クリード ヴァルハラ』公式サイト。

ヴァイキングが信仰する「ヴァルハラ」とは?

 11月10日に世界的に大人気のアクションRPG『アサシン クリード ヴァルハラ』が発売されました。『アサシン クリード』シリーズは、十字軍やアメリカ独立戦争、フランス革命など歴史のターニングポイントの裏側にいるアサシン(暗殺者)の活躍を描いています。
 その世界観はかなりオカルト的。「アサシン教団」と「テンプル騎士団」が、超古代文明の民が残したオーパーツ「エデンの果実」を巡り、さまざまな時代、さまざまな地域で暗闘していきます。

 最新作となる『アサシン クリード ヴァルハラ』は、中世イングランドの暗黒時代が舞台。主人公はノルウェーからイングランドを目指して船出したヴァイキングです。ムー的キーワード3つでご案内しましょう。

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主人公はヴァイキングのエイヴォル。

テンプル騎士団

『アサシン クリード』シリーズは、主人公のアサシンたちが所属する「アサシン教団」と「テンプル騎士団」の対立が大枠のテーマです。

 歴史上のテンプル騎士団は中世ヨーロッパの騎士修道会で、第一回十字軍のあと、巡礼者の保護と聖墓の防衛を目的に1119年に設立されました。多くの寄進を受けて富裕化したところを、フランス王フィリップ4世に目を付けられて「悪魔崇拝」などの汚名を着せられ弾圧。資産を没収され、1314年に指導者たちは火刑に処されています。
 エルサレムを守護していた神秘的なイメージと悲劇的な最期からテンプル騎士団に関する伝説が数多く生まれ、『ダ・ヴィンチ・コード』などでも重要なモチーフとして登場しています。

ヴァルハラ

 今作のサブタイトルにもなっている「ヴァルハラ」。ゲーム中ではイングランドに渡った主人公がヴァルハラへ迎え入れられることを信じて、死を恐れず荒々しく戦います。
 北欧神話のヴァルハラとは、主神オーディンの天上の宮殿のことで戦死者が運ばれる館です。ヴァルハラは喜びの国にあって梁(はり)は槍、屋根は盾、ベンチは鎧でできているとされています。戦死者を戦場から運ぶ戦乙女ヴァルキューレに導かれた戦士たちは、ここで戦いと酒宴に明け暮れるのです。

 この伝説に基づいて実際に19世紀のバイエルン王国で建設された「ヴァルハラ神殿」という建築物がドナウ川沿いにあり、戦士だけでなくベートーヴェンなど著名なドイツ系の偉人の胸像が飾られています。

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戦闘はアクション。激しい戦いが待ち受ける。

鴉(カラス)

 今作の主人公エイヴォルは「鴉の戦士団」を率いてイングランドに進出します。エイヴォルの相棒はカラスの「スニン」。スニンとシンクロしてその視点から敵地が偵察できます。

 北欧神話の鴉といえば、主神オーディンの使いである2羽のカラス、フギンとムニンが有名です。フギンは「心」、ムニンは「認識」という意味。フギンとムニンは朝に放たれて世界中を飛び回り、帰ってきてオーディンの両肩に止まり、さまざまな情報をその耳に告げるといいます。

 日本でよく見られるハシボソガラスやハシブトガラスではなく、分類としてはワタリガラスという大型のカラス。ちなみに日本神話でもカラスは導きの存在。その知性の高さが人間にそう思わせるのでしょう。

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カラスは本作でも重要なモチーフ。

 歴史とオカルトが融合する『アサシン クリード』シリーズ。秘密組織の対立によって世界は動いているのです。


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