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Confuse

day 4
町をフラフラと歩き、感覚で行く場所を決める。
街中で良く広告を見かける。
久万美術館、展覧会、顕神の夢に行ってみた。
自己を超えた何かを捉えるべく身を焦がす思いで制作品があり、幻視や幻覚によって何かを感じた者達は受け取ったものを自身の作品に反映させる。日常的な風景を別世界の様に書く人や、泥酔して自我を無くした状態で筆を取った人も、
自身でも予測できない境地に立つことで表現される何かを期待していたと言う。 
それほど彼らに取り憑いた孤高の芸術は
神道の精神が感じられる。

あまり気にならなくて通り過ぎてきた、
道路の標識も意味を持ち始める。
こちらは物価が少し安く、
スーパーの食材も新鮮だ。

美術館から帰っている道中、
床屋のサインポールを見つけたので覗いてみた。
誰もいなく、特に髪も伸びている訳では無かったのだが一応値段を聞いて切ってもらう事にした。
1人で切り盛りしている元気はつらつな
80歳のお母さん。
散髪中、身振り手振りをしながら
僕に話してくれる。
1960年頃戦後、
敗戦により余剰人口を抱えていた
日本は人口対策を理由に海外移住政策を始めた。
パラグアイに20年移住していたといい、
向こうには従兄弟が住んでおり、移住民と原生林を開拓して村を作ったという。
健康な心は健全な精神に宿ると、
まず健全とは🔍
物事の状態や考え方など
が正常でかたよっていないこと。
安定していて堅実なこと。
また、そのさまであると。

この人たちのことだ。笑
そして続々と磁気マッサージが気持ちよかったとお婆さん達が入ってきた。
お年玉をあげないと孫が来ないと
言うかよさんとのりこさん。
年金事情を聞いて、死ぬまでに使いきると言う、パラグアイに住んでいたお母さんが言う。
エネルギッシュで笑顔が素敵な破天荒な人だ。笑

そしてその向かい側から道路を挟んでこちらに行き来している人達、この付近では林業が盛んで山がところどころ欠けている。
散髪直後の僕の頭みたいなところを見つけた。

お母さんの後に着いていき
プレハブの中を覗いてみた。 
招かれる様にして椅子に腰をおろした。
販売促進担当員している30代のレオさんは社交的で愉快な人で、冗談が上手く、
心の優しい人だと見える。
どこか目の奥に何かを持っている。
そんな垣間見える
眼差しでお母さん達と話を続ける。
ここにも現地民と訪問客をターゲットにしている様だ。無料サービスなのだが、
レオさんに会いに来ている様な人達がいる様に感じられた。まるで磁石というよりかは引力の様だ。人を惹きつける話術と言うより、
老人の気持ちを理解する共感者だろうか。

東京一極集中、多くの自治体では転入するるより転出する方が多いみたいだ。
この町の高齢者割合は5割近く、
町が4つ合併して誕生した。
山に囲まれており、元飲食店や何かしらのお店を営んでいたかの様な作りの建物がちらほら
存在している。
町の回覧板には里づくりのための教育、文化の発展について書いてあって、地方産業の盛り上げを
農業、林業、商工観光の方針に補助制度、
そして保険と福祉、過疎化していく町では地域社会の活力が低下する。
都市部の過密化により
耕作地や農業の担い手が減るという。
確かに目新しいものに惹かれていく心情はある。
こちらの生活は都会の夜とは違う、
静けさがあるから良い。
そこにはバランスが必要である。
SNSで一見華やかでおしゃれな生活が画面の向こうに見えているとくすぐられるのは当たり前だ。
まだ頭は都会のことを考えている。

この坊主頭のせいかお遍路の最中の観光客は僕に手を合わせて通過していく。

煩悩が多い僕は毎日湧き上がる何かと
共に排気ガスの様な身体から
排出されていく何かがある。
離れている環境だからこそ分かる、
人と人の繋がりの大切さ、
都会からデトックスされていく
感覚に耳を傾けてみる。

過敏になっている感覚はなんだ?

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