🐈🐈‍⬛とある１週間

梅雨の最中、友人が出張に行くとの理由で
唐突に🐈🐈‍⬛彼らとの生活が始まった。

正直🐈🐈‍⬛と触れ合う機会は
その時まで殆どなかった。
彼らの仕草をGoogle先生に聞いては
やってみよう。

1DK、都内某所のワンルーム。
当時ベンチャー企業で
僕は決済サービスの営業職をしており
新人に対する過度な仕事量と、
競争心を発起する職場環境。

何かと音楽を聴くのも好きなのに、
職務中に流れているのはedm、
頑張ってネクタイを締め、
スーツを着ながら聴く状況が合っていないと
不自然に交感神経が刺激されていた。

正直疲れていた。

会社から帰る、友人宅。
最初、他所他所しい奴らだなと思った。　

仕事場でもここでも
どこか似た雰囲気が、可笑しい。

ベッドの下から出てこなかったり、
僕が近寄るとすぐどこかへ行く。　
手に届く可愛さは全くなかった。

僕が彼らの飯の支度をしている時に
だけ決まって擦り寄って来る。

そして時間になると僕が餌を用意する。
トイレを掃除してくれる、
彼らの生活に入り込むという上で
最低条件をクリアして行くことで
ようやく距離が縮まり始めた。

そして僕は家主と電話をしながら☎️

野生から施設を通してペットになった🐈と
ペットショップから縁があって引き取られた🐈‍⬛
ともに6歳。

年の取り方が違く見えた。
外に対する好奇心もまるで違う。

僕が洗濯物を干そうと窓を開けると
真っ先に来るのが🐈‍⬛、🐈は見向きもせず
布団の中で包まっている。なんて優雅な奴だ。

室内に飽きる🐈‍⬛、
鳥の声が聞こえると窓際へ鳴き声の主が
どんな姿形をしているのかすらも知らない。

野生を知ったが故に室内が落ち着く🐈
確かにここでは
餌の取り合いも無ければ、
食いっぱぐれる心配もない、
可愛がられる為に家にいるのだから。

僕はペットという生き方をしている
彼らに無条件の癒しを求めていた。

が彼らも相手を選ぶ。
僕は彼らに自己投影をしていた。
社会に可愛がられるために時間を使っているのかと思うと馬鹿馬鹿しくなり、
彼らには嫉妬も覚えた。

だが彼らはもう僕と同じベットで寝ている。
正直可愛くて仕方がない。

自分が変わり始めていた。
職場でやたらと煩い、
憎い上司の事すら
考える時もあった。

何故だ？？

そうだ、人間にも類似点がある。
一度覚えた幸せや、その感覚を思い出すかの様、
探し求めて形を変えていく。

ないものねだりで安定では満足できない、
挑戦しては不安定の感覚。
適度な悔しさや、不恰好さ、
手の届きそうで届かない物、
理想を実現する為に生きている。

都会と田舎、
どちらの暮らしが良かったかだ
なんて分かっているつもりだった。

ここは資本主義都市、
何が個の価値を高める。だ？
人を蹴落として作られる
社会が僕の居場所だとは
思えない。

僕はいたい場所に居ることが出来る。
そして僕たちは自分で選べる。
好きなところへ行き、
僕には幸いな事に
気にかけてくれる友達や兄弟、家族がいる。

この１週間、7畳の居間で彼らが好きになった。
僕も彼らと同じ心情を感じる様になった。
同情ではない。

猫派と犬派の人達の質問をする人達の
意図が分かる。
確かに１つの性格判断の指標になる。

僕はペットを飼おうとは思わない。

今や彼らは主と共にメキシコへ引っ越した。

久しぶりに連絡してみようかな、

ps 僕はネコアレルギーの様だ。