窓から絵画を眺める
大阪府茨木市におにクルという公共施設がある。
駅から徒歩10分くらいのところにある、7F建てのでっかい建物で、色々な機能が備わっている。
図書館・貸しスペース・展示スペース・劇場ホール・子どものための館内遊技森・和室・プラネタリウム・コワーキングスペース…と基本的なものから他にはないものまでとっても楽しい施設だ。
子ども・大人・老人、学生・子連れ・主婦・ビジネスマン・放浪者、年齢・性別・属性のあらゆるものが入り混じっているのに、全部がすんなりはまっている面白い空間になっている。
そのおにクルで私が好きなのが、おっきな窓だ。
特に4Fが格別である。
4Fはおっきな窓と少しの書架、ホワイエがある。そしてフロアの縁に申し訳程度の座席と中央に植栽とそれを囲む円形のベンチが備え付けられている。
そこに高い天井も相まって、たっぷりのすっからかんな空間ができている。
建物の窓側も芝生広場と砂の運動場で外までたっぷりだ。
子どもの高くてスッと抜けるにぎわいは心地よい不協和音となり、不完全で完璧な展示空間となっている。
そこから見える夏の入道雲は大キャンバスに描かれた絵画である。
室内から眺める大自然は、まとわりつく湿気と突き放す灼熱が取り払われ、美術館で額装された人工の自然に近づきながら、刻々と変化する雲の形が雄大な生命のダイナミズムを感じさせてくれる新たな芸術表現となる。
まったり。
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