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むにゃむにゃ貴族

寝起き、少しの間、その体勢でとどまる。


まどろみは薄くなり、あと少しで起き上がる準備ができる。
うつ伏せになり、気をつけの姿勢を取って、腕を手のひらごと少し身体のうちに入れる、そうして身体を左右に小さく揺する。

すると、布団の甘いあたたかさ、夏ならタオルケット・冬なら羽毛の軽やかな重み、寝具の毛並み、が顔や飛び出す素肌を自分の体重を重しに心地よく圧迫する。

あちらこちらに飛んでいった私の神経は触れる面からじんわり集まり、身体の中に立ち昇っていく。

次第に感覚の意識は自分の思考へと移動を始め、揺籠は運動器具に変わっていく。

一人でに腰が立ち上がる。
腕が動き、求められるスピードでゆっくり上半身を立ち上がらせる。
視界と意識が一致する。


まさに貴族である。

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