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いよいよスタート間近、2022年NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」

2022年の大河ドラマの主人公は北条義時(小栗旬)。ほぼ同時代を描いた大河ドラマとしては1979年の『草燃える』がある。石坂浩二の源頼朝と岩下志麻の北条政子が主人公。このときの義時は、今回の大河で平清盛役を演じる松平健(現在68歳、当時、26歳)だった。「治承・寿永の乱」(源平合戦、源平騒乱)が中心となる大河だともっと多い。古いところだと吉川英治原作の『新・平家物語』( 1972年放送)。我々の世代で最初にリアルタイムで観た大河ドラマがこれという人も多いだろう。一番最近では2012年の『平清盛』(清盛を松山ケンイチ、後白河を松田翔太、西行を藤木直人が演じた)である。

今回の『鎌倉殿の13人』は、義時を中心にした東国武士団の物語。義時が主人公だが、群像劇として描かれる。「13人って誰よ?」という方も多いだろうが、その辺はこちらをどうぞ。

ところで、この13人のなかに入っていない人物で、ドラマにも登場しないかもしれないが、頼朝挙兵(1180年、治承4年)のときに頼朝軍に加わった東国武士の一人に、相模国の中村宗平(なかむら・むねひら)という人物がいるが、この人こそのちに越中国にまで行く中村一族の始祖(1)、つまり私のご先祖様であると伝わっている人である(2)。そういうご縁もあって、昨年に引き続き、大河ドラマをウォッチしていきたいと思う。ただし、この時代はまったくの門外漢なので、色々と参考文献を読みながら、時には番組そのものよりも参考文献の紹介がメインになることもあるかもしれないことをお断りしておく。

さて、初回のドラマは1月9日(日)午後6時からNHK BSで午後8時からNHK総合で、いずれも15分拡大版での放送予定。物語は平治の乱(1159年、平治元年)で破れた源頼朝(大泉洋)が伊豆に流されてきたところから始まる(と思う)。父親の義朝は落ち延びる途上、謀殺。兄たちも殺害、もしくは自害したが、捕らえられた頼朝は池禅尼(清盛の継母)の助命嘆願によって、死罪から罪一等を減じられて伊豆への配流となったということはよく知られている(3)。

ドラマ前半(の前半?)のは、頼朝が伊豆に流されてから挙兵するまでであろうが、押さえておきたいポイントは、頼朝が武士でありつつ、京の貴族社会でも高い地位にあった点。それゆえ頼朝の行動は色々と周りの人びとに大きな影響を与え得るという側面が強かったことを念頭に置かなくてはならない。もう一つのポイントはその頼朝を世話した人びとの存在。比企尼(ひきのあま 草笛光子)がキーパーソンの一人だが、彼女の娘婿たちのサポートなくては頼朝挙兵はなかったかもしれない。

注)
(1) 中村一族は和田合戦(1213年、建暦3年)でほとんど死んだらしいが、生き残ったものは、越中以外にも甲斐や安芸に行ったらしい。
(2) ちなみに私の祖父の名前はたまたまだろうが、中村宗平(なかむら・そうへい)という。
(3) なぜ頼朝の罪が減じられたのかについては学界でも諸説あるらしい。呉座勇一『頼朝と義時 武家政権の誕生』(講談社現代新書、2021年)によれば、「やはり清盛の温情によって頼朝が命を救われた、と見るべきであろう」(p.21)ということである。

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