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『鎌倉殿の13人』第14回「都の義仲」(2022年4月10日放送 NHK BSP 18:00-18:45 総合20:00-20:45)

前回、良い感じになった義時と八重。正式に夫婦となって子をなす。新垣結衣演じる八重はやはり笑顔のほうが素敵。一方、木曽義仲の長男・義高(清水冠者)と大姫の政略結婚が決まり、義高が鎌倉に。市川染五郎が演じる義高は「シュッとした顔立ち」で、今回は女性陣から「良いお顔立ち」と讃えられる。ドラマ全体でもよく「見栄えが大事じゃ」というセリフが出てきていたように思う。たとえば頼家誕生の時の馬引の役目を中川大志演じる畠山重忠に命じたり。この時代も(?)「人は見た目が9割」ということか。

今回の主人公は木曽義仲だが、予想通り、倶利伽羅峠の戦いはあっさりと鬨の声を上げるシーンのみ(番組ラストの「紀行」ではこの戦いの解説がなされていたが)。寿永2(1183)年5月のこと。平維盛の大軍を退けた義仲は京の都へ。平家は三種の神器とともに安徳天皇を連れ出して都落ちした。後白河法皇を連れ出せなかったのは平家にとって決定的な失態だったが、義仲も法皇が政治的に重要なことをわかっていなかったことが決定的であった。ドラマでは田舎者という体で描かれていたが、単に政治的なセンスがなかった、あるいは情報不足というだけであろう。その点は行家も同じ。かたや鎌倉の頼朝、大江広元は高度な外交戦を繰り広げる。後白河法皇から勲功第一を賜ったのもそうした外交戦略の成果(義仲、行家の抗議で覆されてしまうが)であった。京の三善康信の役割も重要であったはず。

後白河法皇は三種の神器なき天皇、すなわち後鳥羽天皇を擁立し、義仲に平家討伐を命じる。義仲は頼朝を待っての出陣を主張するものの、後白河はそれを許さず、義仲の追討軍が出立。その間、頼朝は京の後白河に接近し、官職復帰や東海道・東山道諸国の軍事支配権を認める院宣旨を受領といった政治的勝利を収める。

かたや平家と通じているとの科により謀反人にされた義仲は後白河との面会も許されず、いよいよ頼朝と義仲、源氏同士の戦いに……。それに対して鎌倉の御家人たちの対立も厳しくなっていく。義時の提案では梶原景時に義仲討伐総大将の役割を振られそうになるが、頼朝は「いざという時に頼りになるのは身内」という一言で義経に。結局、これが景時と義経の対立、義経失脚の遠因となっていくことは周知の通りである。




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