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『鎌倉殿の13人』第15回「足固めの儀式」(2022年4月17日放送 NHK BSP 18:00-18:45 総合20:00-20:45)

上総広常(佐藤浩市)が粛清され、鎌倉の「足固め」という回。

怪僧・文覚(猿之助)がでっち上げた万寿の「足固めの儀式」。何だかウケるんですけど・w 大江広元(栗原英雄)も真顔で「いえ、都でも聞いたことがございません」と。大笑いである。そのインチキ儀式にあわせて鹿狩りをおこなうという名目で御家人が結集、そのまま頼朝(大泉洋)の御所を攻めて源義高(染五郎)を擁立するというクーデター計画はあまりに杜撰すぎて失敗に終わる。義時(小栗旬)が土肥実平(阿南健治)に探りを入れたりしてあっさりと露見するシーンなども大割シーンであった。そして、インチキ儀式を終えた万寿を奪取しようと和田義盛(横田栄司)らの御家人らが襲う。そこへ駆け付けた義時の説得とそれに応じた畠山重忠(中川大志)の機転を利かせた言動が御家人たちの弓を引かせた。源範頼(迫田孝也)が「意外とできる」(実衣の言葉)というのも次回以降の平家討伐戦の布石か。

ともかく、坂東から源氏を排除するというだけでは利害関係が錯綜する御家人たちがまとまるはずもなく、その御家人たちの結束力が弱いことは明らか。逆に頼朝方にとってこの謀反計画は御家人たちを締め上げてまとめる絶好の機会となった。もっとも血生臭い謀略は現代人の理解を超えてはいるのだが。

頼朝は寛大にも御家人たちを許す。しかし、大江広元らは見せしめが必要と主張し、上総介の名前があがる。この筋書き、端から頼朝が仕組んだものというのが怖い。広元が言うように「もっとも頼りになる人物がもっとも危険な人物」ということ。若い義時はこれに反発するものの、平六(三浦義村)(山本耕史)には「お前、だんだん頼朝に似てきたな」と指摘されるところは秀逸。

双六をする梶原景時(中村獅童)と上総介。やおら立ち上がって上総介を討つ景時。苦悶の表情を浮かべる上総介。トドメの一撃は上総介の体を貫く。同じ三谷脚本『新選組!』での芹沢鴨粛清のシーンを思い出させた。

最後は義時の嫡男、のちの第3代執権泰時誕生シーンで次回へ続く、である。

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