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『鎌倉殿の13人』第6回「悪い知らせ」(2022年2月13日放送 NHK BSP 18:00-18:45 総合20:00-20:45)

第6回は「悪い知らせ」。まずは嫁と姑(=比企尼は実母ではないが比企能員は比企尼の猶子)の間で右往左往している比企能員のもとに石橋山合戦で佐殿大敗の報せが届く。源氏再興のためずっと佐殿を援助し続けてきた比企尼にとってはこれ以上ない「悪い知らせ」である。

一方、頼朝の探索を続ける大庭景親軍の兵士たち。梶原景時は「しとどの窟」に隠れていた頼朝たちを発見するが、見逃す。この運の強さこそが頼朝の再挙兵に坂東武者がつきしたがう大きな要素なのだと、あとで義時は頼朝に諭して再起を決意させる。それはともかく頼朝一行はまずは箱根権現を目指す。「北西に二十五里」という言葉にくじける頼朝だが、Googleマップでは徒歩で20km足らず。歩けない距離ではない。山道は大変だろうが……。

今回初登場の甲斐源氏の長である武田信義。言うまでもなく武田信玄のご先祖様。その信義のもとに援軍を頼みに来た時政は「院宣」が欲しいという信義の願いを叶えるために頼朝のもとへ戻ろうとするが、心が折れてしまい諦めようとする。義時は兄の宗時も帰ってくる頃だと励ます。平安時代に「心が折れる」などの表現はなかろうが、坂東彌十郎はそこら辺をうまくやっている。「お笑いパート」担当というネット雀たちの囀りもあるが、なかなかどうして良い演技だと思う。

一番の見所は、三浦一族の助けにより現在の東京湾を横断して安房に逃げる頼朝渡海シーン。あんな丸木舟に毛が生えたような舟でよく渡れたものだと思うが、これによって頼朝は再起に成功するのであるから日本史における交通手段の役割は面白い。山、川、海を縦横無尽である。次回は上総広常も登場していよいよ盛り上がってくるだろう。

ちなみにタイトル「悪い知らせ」の前述ほか2つのシーンは、千鶴丸と宗時の訃報。親子兄弟の訃報はあまりに悲しい。

蛇足:『鎌倉殿の13人』の俳優陣は筆者がよく観ているドラマの出演陣とかぶる人が多い。『雲霧仁左衛門』の安部式部と大庭景親演じる國村隼さんなんかは色々と出過ぎなので被るのもしょうがないが(笑)。小栗旬君とは『日本沈没』でも共演していましたね。同じく『雲霧仁左衛門』で悪徳商人の桔梗屋と伊東祐親を演じる浅野和之さんもそう(ただし、浅野和之さんは急逝した辻萬長さんの代役)。あと畠山重忠役の中川大志君。内村光良の『LIFE!』でもレギュラーで活躍中の他、『平清盛』では頼朝の少年時代を演じていました。女性陣では比企能員の妻役の堀内敬子さんなんかも良いですね。ほっこりします(^^)




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