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青春かもしれない 〜刈野名義の作品メモ②

刈野です。現在絶賛クレジットカードが行方不明です。困った困った。とはいえ今日も稽古です。
青野さんが稽古場ブログでややこしいことを書いてますが、僕は割と終始ケラケラしてます。青野さんが横ですごい顔で稽古を見てます。実質青野さんが演出みたいなものです。ほんとごめんなさい。

今回の座組、宗さんが25歳、しゅんさくさんが24歳、青野さんが23歳で、僕はいて座なのでちょっと皆さんとは離れてます。
割と同世代を中心に集まっている座組なので、なんていうか青春の匂いがします。横で干柿をかじりながらそんなことを思います。

甲子園とか、駅伝とか、そういうのにめっぽう弱くなって、どんどん涙腺が弱いです。小学5年生の時に親が正月ずっとテレビで駅伝を見ているのを、「なぜ徒競走を5時間も6時間もずっと見ていることができるのか理解ができない。だいたい他のプロスポーツは視聴することで放映権料などで最終的には競技者の利益に還元されるが、大学駅伝の場合は見て視聴率を上げたところでそれはテレビ局と代理店の利益にしかならない」と論破しかけてボコボコにされて以来、若干の憎さすら覚えていた箱根駅伝も、自分がそのくらいの年令になった頃からすっかり虜です。1月2日と3日は、やっぱり駅伝だよねの気持ちです。今年のサッポロビールの宣伝(箱根駅伝用にカスタマイズされてる、妻夫木聡がホストでいろんな人とちょっとしたインタビューをする、という構成のやつ。大変によろしいCMです)もゲストが宮本浩次でこれもまたときめきました。そしてだいたいスタートのときにはすっかりお布団の中です。

ちょっと視点を変えて、予選会参加やその他のエントリー外の選手も入れると述べ人数で言うと数千人の選手を抱える箱根駅伝ですが、そこから世界で戦う人間を、という金栗四三(一昨年の大河ドラマで中村勘九郎さんが演じられた方ですね、あとマジで余談ですが「いだてん」僕は最近の大河ドラマの中で一番面白かったのですがこの話できる人、ぜひ劇場で声をかけてください。三日三晩話せます)の当初の理念から照らすと、やはりその誉にあずかれるのはほんの一握りです。多くの選手は、あの1月の東海道が競技人生のラストです。あれを観るときに、ある種の「期限があるゆえの華」のようなことを考えます。もちろん彼らの人生はこのあとも続きますが、競技者としての華は、あの中継所で笑顔で前区間の選手を迎え、襷を受け取りそして必死に前を追い、倒れ込むように次の中継所で襷を渡す、あの瞬間にあるのではと思ったりします。


そこにくると、役者の華、みたいなものの難しさを思います。俳優には「期限」がありません。もちろんライフスタイルの変化(就職や結婚など)で一時的に離れたり、そのまま離れてしまったりということもありましょうが、名乗るのも自由、そう見られるのも自由な界隈で、演技には期限がありません。だから、どうしても「ここが華!」というのを言えなかったりします。

でもね、やっぱりあると思うんです。役者にも、華、っていう時間。

ちょっとまた話が脱線しますけど、M-1、っていう年に一回の漫才の大会あるじゃないですか。僕は大変楽しく見てまして、今年一番面白いと思ったのは敗者復活戦の金属バットでした。(余談ついでにNetflixの「浅草キッド」のM-1用にカスタマイズされたCMもすげえ素敵でした。あれどこかに落ちててないかなあ……)今年優勝したのは、錦鯉という片方はアラフィフみたいなアラフォー、片方はスキンヘッドのアラフィフのコンビでした。M-1は年々その芸人の周辺含めた物語を込みで発信するようになっていて、それはそれで思うところある人もいると思うんですが、私は割と好意的に見てます。今年もそうでした。「オワコンで泥水飲んだおっさん芸人の大逆転劇」というドラマが、彼らの栄冠に感動を付加していました。彼らの一番の「華」の瞬間に、私は青春の野郎がひょこっと、そしてニヤニヤしているのを見れた気がしました。彼らは間違いなく青春の中にいて、ああ、この青春の華を届けるのが、今回の私のミッションなのかもしれない、と、そんなことを思ったりした昨年末でした。

長々と書いてきましたが、今回のこの座組の真ん中にある「青春」が、おそらく今の彼らの「華」の一つになるのではないかと、思ったり祈ったり大忙しです。
スラムダンク風に言うなら、「オヤジの全盛期はいつだよ...全日本の時か? 俺は今なんだよ!!」です。

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今青春の真っ只中を生きる方に向けては希望を、
かつて青春を通った方に対してはやや懐かしさを、
そんな観る方皆さん一人ひとりに手にしてもらえる「青春の華」を、
お届けできるように作りたいと、これもまた一つの誂えにすぎませんが、そう思って演出しています。青野さんが。

以下改めての公演詳細です!
今週末です、ご予約まだの方は是非とも。
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ムネさっく 第1回無鉄砲公演
『コルジーニ・ヴァンドリッドとスクーターの夜』
作・演出:刈野名義 
出演:友田宗大 古賀駿作
会場:ぽんプラザホール
日程:1月14日㈮19時
1月15日㈯14時/19時
1月16日㈰12時/17時
料金:1,000円
ご予約はこちらから▶ https://www.quartet-online.net/ticket/munesack1

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