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演助青野の稽古場観察 その②

一稽古開始(1~3日目まで)

年が明け、いよいよ稽古が始まった。2人芝居、途方もない旅路のようで、でも残されているのは2週間ぽっきり。限られた時間との勝負である。

これまでむねさん、駿作さんそれぞれと創作を共にしてきた身としては、常々意識する存在であり、彼らが注目を集めればそれはもちろん無視できず追ってきたつもりだったが、今回それを1番近く、そして外から見ることとなってより想いが募ることとなった。
稽古場で2人を見ていて、やっぱりこれまでさまざまな人にかかわり、さまざまな作品と出会ってきたことの経験値というか、勘の良さ、瞬発力に面白いなぁと唸らされる。2人の魅力、面白さが、作品中に凝縮され爆発し続ける。もはや浴びている。いつまでも見ていたいと思わされるその姿に、正直嫉妬すら覚える。でもその嫉妬すらどうでも良くなってくる。おいアイツの今の表情見たかよと彼らの一挙手一投足を誰かに話したくなるポイントが随所にある。共有したいしいやあそこはそうじゃないという話もしたい。2人のことで話題がつきないことはとても癪に障るがそれを超えて彼らの話をしていたい。そんなふうに思わせてくれるのでもう既に彼らの魅力に惹かれまくっている。

ところで、むねとしゅんさく。同じ劇団員としてこれまで何度も創作を共にしてきたはずだが、この2人の食い合わせが絶妙に、絶妙で、、、、(は?何言ってんだと思ったらぜひとも公演を見て欲しいのです。)
稽古場での話題で、むね、しゅんさくともにやりたい役柄がしばしば被りがちというのがあったが、それを聞いて納得してしまう若干の噛み合わなさとでもそれを超えてくるお互いへのリスペクトでもって展開していくんだからおかしい。非常に愉快である。ここからどう進化していくのか本当に楽しみである。

だから惜しい。常に稽古で挑戦すればするほど面白いのにさっきやったことを履行しようとして淡々と作業になってしまう、俳優が納得できなかったり上手くいかない稽古の時に途端に不安になって俳優自身で自滅してしまう、こうした状態に陥りがちになってきている。そうなると見ている側もやってる2人もとにかくしんどい、何にも面白くない、その悪循環に陥ってしまうこともしばしば。このままではこの2人で上演する意味も面白さもまるでなくなってしまう。
2人芝居、かかる負荷もさることながら処理する情報量も想像を絶する。でもだからこそ強い気持ちで臨んでほしいし処理量とプレッシャーに負けないでほしい。なにせ圧倒的に2人のための舞台なのだから。大勢の人が楽しみにしてるのである。いや別に誰が楽しみにしていようがいまいが、僕が楽しみなのである。2人がぽんプラザを席巻する姿を。
そのためには時間が無い。
おい楽しみなんだぞ!楽しみにしてるぞ!頑張ってくれ、ムネさっく!!!

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福岡で活動する友田宗大と古賀駿作による演劇ユニットムネさっく。
第1回無鉄砲公演『コルジーニ・ヴァンドリッドとスクーターの夜』の舞台裏を演出助手青野の目線でつづっていきます。

チラシ

演劇ユニットムネさっく
第1回無鉄砲公演
『コルジーニ・ヴァンドリッドとスクーターの夜』

作・演出:刈野名義 
出演:友田宗大 古賀駿作
会場:ぽんプラザホール
日程:1月14日㈮19時
      15日㈯14時/19時
      16日㈰12時/17時
料金:1,000円
チケット好評発売中↓↓


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