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#34_某テーマパークのサービスの質が落ちた(かもしれない)理由を考察する(2022/2/11)

この回の続きと言えば続きの話。

少し前、ある方から「最近仕事で某テーマパークを訪れたが、サービスの質がだいぶ低くなっていた」というつぶやきをちらっと聞きました。
その方は以前そこの従業員だった経験があり、「努力は伝わるが、従来のような高いサービス水準には遠い」という憂いの表情が印象的でした。「サービスの神様」として代表的なテーマパークの行く末が気になり、その理由を考察してみます。

1) スキルの不足、教育の不足

従業員関連データから見ると、2020年は2019年に比べて従業員数は約4,000名減、研修についてひとりあたりの研修時間は6割、費用は3割減とのこと。
この数字から十分な教育が受けられていないことが推察されます。
結果、従業員満足度が以前より下がったり、経営に対する信頼のゆらぎにもつながるリスクがあるのではないかなと思います。

2) コロナ感染リスクへの不安・ストレス

日に1万人の不特定多数の客が訪れる環境で、自分がいつ感染するかもしれないという不安。リスクの高い環境でも「客を安全に楽しませ、守らなければならない(が、100%はできない)」というジレンマがあるのではないでしょうか。さらに、東日本大震災の当日のような緊急かつ短期的な状況ではなく、慢性的長期的なリスクにさらされるストレスは高いのではないか、と想像しています。

3) 客への不信感

訪れる客の大半は、いわば「不要不急」の外出にあたると思われます。(実際はわかりませんが、客観的にはそう見える。)例えば、もし自分が感染したら医療現場の負担が増す、というリスクをどれだけ客はどれだけ理解しているのか。その点にモヤモヤする従業員も少なくないのではないでしょうか。(私だったらモヤモヤする。)

対して株価の値上がり、入場制限の緩和

徐々に入場制限人数の緩和が行われ、株価はかつてない上昇。財務諸表を見ても、投資の勢いはそれほど衰えていませんし、配当金も以前より減ったもののそれなりの金額が支払われています。さらに某記事では、顧客満足度も上がっているとのこと。
サービスの質が落ちたのに、この矛盾が示す未来はなんなのか。
もし私が経営者でこの状況に気づいたなら、大規模投資を進める前に、従業員満足を改善しないことには市場の期待に応えられない、と判断すると思います。財務的に難しい判断と思いますが…

上記はあくまで、個人的な妄想に近い想像です。
テーマパークを身近に感じてきた県民として、またミニーちゃん大好きな子どもを持つ親として、スタッフの安心安全が確保され、株主の期待値にサービスの質が近づくことを願っています。


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