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りゅうちぇるさん自殺の理由 3/8 蓄積した怒りが「爆発」

 
 本noteであなたに紹介するK死刑囚の手記を読むと、「蓄積した怒りが爆発することの恐さ」を実感していただけると思います。
 
人の感情は「喜び」「悲しみ」「怒り」「怯え(恐怖感)」の4つです。
 
アエラドット2022年9月5日号の記事によるとりゅうちぇるさんは、沖縄の中学校はヤンキーがトップに君臨するカースト社会で、中学生時代に「本当の自分を隠した」と語っていたそうです。
 
それでは「隠していたもの」とは何であったのでしょうか。相手が個人ではなく、中学校の先輩であったり、ヤンキーな生徒たち多数であったりしたのですから、りゅうちぇるさんが抱き、隠した感情は「恐怖」もありますが、「怒り」であった可能性が極めて高いと考えるのが自然です。
 
 中学生3年間の多感な時期に「本当の自分を隠した」、つまり、本当は怒っていたのに、その怒りという感情をりゅうちぇるさんは隠していたのです。
 
 本当の感情を隠すとラケット感情という偽の感情が生じます。
 
虐待を受けた子供が、本当は泣きたいくらい悲しいのに何でもないように振る舞うことなどは良く知られています。このラケット感情で人は、自己嫌悪感、罪悪感、羞恥心を覚えるようになり、次第に自分の心を崩壊させていきます。
 
そのストレスは自律神経と呼ばれる神経を乱れさせ、不眠や疲労などさまざまな体の不調状態につながってしまいます。
 
 このような、本当の感情を隠す、押し殺すことが長期化続くとどうなるでしょうか。
 
人の脳は「本能を司る本能能」「感情を司る感情脳」「理性を司る理性脳」に分けられるという考え方がありますが、隠され、押し殺された感情脳に蓄積された怒りの感情はいずれ爆発します。30年、40年後に爆発することもあるのです。その一例を紹介します。
 
元厚生事務次官宅連続襲撃事件 ウィキペディアより
元厚生事務次官宅連続襲撃事とは、 2008年 (平成20年)11月に発生した連続殺傷事件である 。 2008年 11月17日 と 11月18日に元 厚生省 (現: 厚生労働省 ) 事務次官 の自宅が襲撃される事件が発生。 死者2人、重傷者1人を出す事態となった。 最初の事件から5日後の 11月22日午後9時に、当時46歳の男Kが レンタカーで警視庁に出頭し、自分が厚生事務次官を殺害したと供述した。
<引用終了>
 
犯行当時46歳であったK死刑囚が、小学生か中学生頃から30年以上押し殺していた怒りを爆発させた事件、と私は捉えています。そのことが明らかになる手記が公開されていますので掲載しておきますので、読んでビックリしてください。
 
手記(原文)全文 
<転載開始>
 私の事件の記事を起訴後、初めて読んでガク然とした。それは、記事の内容の半分はデマ(うそ)だったからだ。私が供述(話)していない事が多数、本人供述として記事になっている。警察がここまで悪意のあるデマをマスコミに流すとは想像していなかった。その中でも一番許せなかった事は、次の通りである。
 私の供述によると、チロが保健所で虐殺されたのは、父親が保健所に処分を依頼した為と書いてあるが、これは全くのデマである。
 チロは妹が散歩中に犬捕り(野犬狩り)に捕られたのだ!それで俺と親父は直に保健所へチロを迎えに行った。保健所には女の事ム員がいて、にこやかな顔で“柳井で捕まえた犬は岩国へ連れて行くからここにはいない。犬は1週間は殺さない。今日は金曜日なので、月曜日に岩国へ迎えに行くように”と言った。それで、親父が、多分、月曜日に岩国へ迎えに行ったが、チロは既に虐殺されていたのだ!
 チロは首輪をしていたんだぞ!しかも、狂犬病の予防注射をした証のプレートなどを首輪に付けていたのに!なぜ、犬捕りはチロを捕まえた!なぜ、保健所は予防注射をしたチロを殺した!絶対に許さない!
 俺は厚生省(厚労省)の官僚どもを死んでも絶対に許さん!死して屍が朽ち果てようとも絶対に許さん!
 最後に、チロは茶色い犬ではない!真っ白い犬だ!
 2009年11月25日
 
 りゅうちぇるさんの中学校での3年間に押し殺した怒りと、それから27歳までの、他人には決して理解できないりゅうちぇるさんの心の奥底に蓄積されていた、さまざまな“隠した感情”が爆発して発作的に自暴自棄、つまり自分で自分を破滅させる自殺に結び付けてしまった、このことが最大の自殺の理由と私は考えますが、あなたはどのように考えますでしょうか。

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