見出し画像

そんな質問しないで

皆様おはようございます。


今回は仕事柄「安全」についてお話させて頂きます。

未だにご乗車のお客様から「シートベルトしなくていいよね?」なんて呆れてしまう様な質問をされることがあります。

その度に表紙の様な猫の顔になりながら「私どもと致しましては、すべてのお客様にシートベルト着用をお願いしております」としか答えないのですが、本音は「死にたいならそのままでどうぞ?」と思います。

よく誤解がありますが、助手席だから着用しなければならないとか、後席だから着用しなくていいとか思われるお客様もいらっしゃいます。しかし、法令では平成22年より全席のシートベルト着用は義務化されております。

例外措置として「警護車両に警護されている車両(皇室関係など)座席にシートベルトが装備されていない車両(旧車や路線バスなど)は免除となっていますが、それ以外は「乗ったらシートベルト」が基本です。

確かに窮屈感がありますが、私は普通免許取得時からいつもシートベルト着装していますので気になりませんし、何より「自分自身の安全を守る為」です。

自分の安全を他人に委ねているのは、個人的な感覚ですがアジア系人種に特に多いように感じますね。ハイヤー時代にアメリカからのお客様を成田に迎えに行った時は、シートベルトが隠れていただけで物凄く怒られました。

「シートベルトは私たちの安全を守る権利だ!それを蔑ろにするとは君は私たちの事を何だと思っている!」と。


自分の安全は自分で守る


これ、何気ないけどとても大事な事だと思います。

誰だって怪我したくはないはずです、子供みたいな書き方しますが、怪我したら痛いし、病院行かなきゃいけないし、お金かかるし、下手したら死ぬし。


誰だって嫌ですよね?だからこそ安全には気を使うべきだと思います。

過去にあったシートベルト非着用による死亡事故は「首都高速湾岸線」の東扇島付近で、若い子たちが乗ったミニバンがハンドル操作を誤り中央分離帯に衝突。ドライバーは何とか助かりましたが後席に乗っていた方が「窓ガラスを突き破り、反対車線に飛ばされた後に対向車線を走ってきた車両に轢過」された事故がありました。

これ、後席の方がシートベルト着用していたら8割以上の確率で助かったはずです。

他には、都内の幹線道路にてタクシーが側壁に衝突。後席の乗客だった「大手鉄道会社幹部」の方が座席から放り出されてお亡くなりになった事故もありました。このケース、私が不思議に思うのはこちらの大手鉄道会社では「タクシー」も運営されているはずなのに幹部の方がシートベルト着用をなぜ怠っていたのか・・・本来なら交通事業者として率先して取り組むべきはずですけどね。

私、先程からくどい位シートベルトにこだわっていますが・・・

やはり仕事柄「事故で亡くなる方は減ってほしい」と思っています。

私の生まれた1970年後半から今まで、多くの方々が事故や災害で亡くなられています。その中で私もそうですが、これをご覧頂いている皆様は「生き残ってきた」訳です。その生き残ってきた方々が安全を軽視するという事は、今までに「生きていたかったのに亡くなられてしまった」方々の「もっと生きていたかった」という思いを無駄にしてしまうのではないでしょうか?


今やシートベルト非着用に始まり「歩きスマホ」「イヤホン着用しての歩行」「信号無視」「無理な横断」など、昔だったら親に引っ叩かれるレベルの事を普通に行い「今ある命を粗末に扱う」方が増えてきた気がします。

何か起きてからでは遅い

大人になってからでは遅い

「遅かった」と思う前に今から、今日からでも身近な方々と「命の守り方」についてもう一度、そしてこの先も何度も継続して話し合ってみてください。

あなたの大切な人、それで守れる可能性が必ず上がります。


話の規模は変わりますが、勤務先の会社では乗務員の安全不確認による「自損事故」がかなり増えています。労働組合役員としては「とにかく事故を減らしましょう」と全体的に話します。ただ、それではあまり改善が見られないので、個人的に他の乗務員と話す時、「急いで駅に戻ってもロング(長距離のお客様)乗せられるわけじゃないでしょ?だったらキッチリ安全確認して事故起こさないで帰ってくる方があなたも会社も得なんですよ」と頻繁に話します。まあ、ほとんど理解してくれませんが話します。何度でも。

でも、繰り返すうちに「そうだよな」とか「確かに急いでもワンメーターかもな?」等と徐々にですが他の乗務員も理解を示してくれています。


安全に関して話をしたって意識の向上はわずかです。

でも放置すれば下がるだけ、継続して話して行けば意識の維持か向上につながる。そう思っています。

誰かがやらなきゃ始まらない

私もやります、あなたも大切な方を守る為話してあげてください

ご両親?人生のパートナー?大切な恋人?大切なお子様?

きっと大切な方はいるはず

守ってあげてください、できる事から少しずつ

いずれ・・・「交通事故って何だったんスか?」なんて若い世代から聞かれる日本がやって来る事を願って。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?