29歳、普通自動車免許を取る(本編①)

前回までのお話
原付編①
原付編②
原付編③

いつも何度でも思い付きで行動する私は、すぐに訳のわからない服にノーメイクで、ギリギリ寝癖がついてない髪型で教習所の受付に行った。

申込みをして、視力検査して、写真を…写真…撮るのかぁ。。
せめて眉毛だけでも書けばよかった。

この写真は後に教習原簿(カルテみたいなやつ)の表に貼られて見る度に嫌な気持ちになるし、教習の度にその写真と原付の免許証の写真見比べられて、

「あぁ、今全然違うやんって思っただろうな」

と被害妄想をしなくてはならないことになる。

申込みをしてもすぐに教習を始められるわけではなく、まずはガイダンスや適性検査(心理テストみたいなやつ)を受けた。

適性検査の結果は思ってた以上に悪く、自信あった訳じゃないけどかなり自信を無くした。
その中に、

「短気で思い付きで行動することがあります。不機嫌な時の運転は注意しましょう。」

という一文があり笑った。

大正解じゃん。

技能教習より先に学科のスタンプラリーを何個か集めることにした。
その中ですごく面白くて優しそうな指導員のナカタ先生がいた。
このナカタ先生が本当に面白くて優しい、話しやすい先生だった。

その先生は学科で、

「先生は初心者の時、右への車線変更に自信がありませんでした。
だから後ろの右のウインカーの近くに初心者マークを4枚貼って周りをビビらせてました。
みんなももし自信がなかったらおすすめです」

とか言っていて想像して笑った。
初めての技能教習はこの人で受けたいと思った。

そして技能教習を予約していた日。
配車の時に指導員の顔写真と名前が出てきてその日の先生を選べるシステム。

絶対ナカタ先生にしよう!!とルンルンで行ったのだが…あれ?!ナカタ先生がいない!!!
ここで私は想定外の事態にパニックになってしまい、全然知らない岩タイプのオジサンを選択してしまった。

今考えれば、お休みとか、もう他の教習生に割り振られてるとか、他の仕事があるとか、ナカタ先生が出てこない可能性なんかいくらでもあるのに、
自分のことしか考えてない私は全くそのことがわからなかった。

でも岩タイプのオジサンもすごく良い人だった。

それからの技能教習も思ってたよりうまくいった。
あれ?まわりめっちゃ苦戦してるのに私S字もクランクも余裕じゃね?
自信がなかった私は少し自信がついた。
ナカタ先生の教習も受けることができた。

ナカタ先生だけは「あれ?!随分写真が違うねぇ」と普通に言ってきた。
そうゆうとこやぞ。

何回か受け、やっと運転っぽくなってきたかな?というところでアイツがやってきた。

新型コロナウイルスの流行。

これにより教習所はストップ。
2ヶ月の間、教習が受けられなくなってしまったのである。

教習所再開後、技能教習の予約に出遅れてしまい、そこから更に1ヶ月後、私の技能教習は再開された。

久しぶりに受けたら、なんとS字もクランクも通れなくなっていたのである。
これで今まで引っかからずに通れたのがただのまぐれだったことが判明する。自信なくす。
しかし親切な指導員の皆様のお陰でなんとか克服。

教習所って、指導員がウザいとかイライラするとかそんなイメージだったが、
私の通っている教習所は、本当に良くしてくれる指導員の方ばかりでかなり助かっている。
もちろん合う合わないはあると思うけれど!

学科スタンプラリーも終わり、みきわめの前に効果測定(模擬テストみたいなやつ)を受けておこうと思い予約の前の時間に効果測定に行った。

私より明らかに若い指導員
「あっ効果測定?ちょっと待ってね。」

は?なんか初対面でタメ口や。むかぁ。
まあでもこっちマスクしてるし、服もダサい大学生みたいやし、若く見えたんやろな…いや、でも、
私が指導員だったら初対面なら誰に対しても敬語使うけどな!!!!
なんやこのモヤモヤ!

怒りのまま効果測定をクリアーし、その1時間後にみきわめ。
みきわめはナカタ先生だった。

「あっまだ卒業してないの〜?シャリー来たの見えたから来たと思ったけど〜。
来たとき丁度先生近くでタバコ吸ってたんだよ〜。頭から。」


と言ってハゲた頭からタバコを吸うジェスチャーをしていた。
ハゲを自分でネタにするオジサンに悪い人はいないが、正直私はハゲが面白い年齢でもない。
もし小学生だったら転げまわって笑ってたと思う。

みきわめとは、仮免検定の前の最後の教習なのだが、おしゃべりな私はどうしても黙れず喋っていた。
さっきの効果測定の時の指導員の話とかした。
ナカタ先生が言うには、以前既に30代の元ヤン女性を怒らせてたらしく、その人はその指導員に、
「おい!てめぇ、なめくさりやがって!」
っと言っていたらしい。
それはちょっとかわいそうだなって思ったけど、私には言う勇気ないからちょっとありがとうとも思った。

喋りすぎてちょいちょいミスしたりしてたら
「ねえ!!!今日みきわめだよ!!!??」
と言わせてしまったが、そもそもみきわめがどのくらい重要なものなのかが分かってないので全然刺さらなかった。

終わる時、
「オッケーにするから、絶対仮免落ちないでよ!!!頑張ってね!!」
と言われ、その足で受付に行き仮免検定の申込みをした。

つづく。
次のお話はコチラ

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