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【AND WOOL】はじめましての皆様へ−村松啓市のニット専門ブランドについて改めて自己紹介します。

こんにちは、ファッションデザイナーの村松啓市です。私の運営する2つのブランド【muuc:ムーク】【AND WOOL:アンドウール】、そしてその他のさまざまな活動をいつも応援してくださっている皆様、本当にありがとうございます。

私の運営するニット専門ブランドの【AND WOOL】が、2021年10月23日に、無事に5周年を迎えることができました。

これまで約17年、ファッションデザイナーとして活動してきましたが、5年前にさまざまな思いから立ち上げたこのセカンドブランドが、ここまでたくさんの方に応援していただけるようになるとは思ってもみませんでした。。「こんなことが本当にできるのだろうか……」という思いのほうが強かったからです。

これまで見守ってくれた皆様には、感謝の言葉しかありません。

先日、こちらのnoteでもご紹介させていただいた通り、私はこの夏、中田敦彦さんプロデュースの新ブランド【CARL VON LINNÉ:カール・フォン・リンネ】のデザイナーに就任し、

【CARL VON LINNÉ】の中に、私がこれまで育ててきた活動のアイデアを取り入れていただき、広く知ってもらえるようにもなってきました。

そこで今日は、【AND WOOL】の活動についてまだあまりご存知ない方に向けて、改めてブランドの自己紹介を書きたいと思います。最後まで読んでいただけると大変うれしいです。


■なぜファッションデザイナーがニットブランドを立ち上げたの?

私はファッションを学んでいた学生時代に、イタリアの老舗糸メーカー「リネアピウ」社に留学し、世界トップクラスのニットデザインが集まる環境でファッションを学びました。ファッションデザイナーとしてブランド【everlasting sprout:エヴァーラスティング・スプラウト】(※現【muuc】)を立ち上げ、以来17年、ニットの専門知識を強みにファッション業界での活動を続けています。

多くの方がご存知のことかと思いますが、ファッション業界は今、さまざまな問題を抱えています。環境問題、労働問題など、そのほとんどが業界にとっては大変深刻な問題です。中でも「職人不足・後継者不足」の問題は、現在の私の2つのブランドにもすでに大きなダメージがあり、技術の高い職人の減少で思うような服作りができなくなってきています。

職人を育てるには時間もかかります。そこで、自分たちに必要不可欠な活動として、ブランドの運営と並行して「雇用創出」の活動を始めました。この取り組みは、さまざまな事情から外に働きに出ることができない人に「在宅ワーク」のお仕事を提供したり、工賃が低価格に設定されることの多い就労支援事業所さんに適正価格でのお仕事を発注したりすることで、未来の担い手を育てるものです。

現在【AND WOOL】のニット製品はすべて、たくさんの「人の手」に支えられて製造されています。

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■なぜ【AND WOOL】のニット製品は上質なの?

【AND WOOL】のニット製品は、近年では見かけることが少なくなった昔ながらの「手編み機」と呼ばれる機械を使用して、1枚1枚手作業で編み上げています。オートメーションの機械とは違い、糸の張り具合や編地の様子を人の目と手で確認しながら編むことができるので、空気をふんだんに含み、非常に軽くてやわらかい製品に仕上がります。

ニットのプロフェッショナルとして、その知識を最大限に発揮し、素材を吟味し、編み機で編んだときに一番いい状態になるように国内外の糸屋さんと糸を調整して作るところから行うようにしています。そして、編み方、制作効率までを一貫してデザインしています。

そのため、例えば「編み機のレバーを左右に動かすだけ」といった、誰が作業をしても仕上がりのクオリティに影響が出ないような単純作業を製造工程の中から抜き出し、「雇用創出」の活動の一環として、在宅ワーカーさんや就労支援事業所さんにお仕事を発注することもできています。

仕上げはブランドのプロのスタッフが手がけることで、製品のクオリティを落とすことなく、このような取り組みを実現することができています。

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■なぜ【AND WOOL】のニット製品は高額なの?

1つには、上質で安心な素材を使用していることがあります。現在は、天然繊維は非常に入手することが難しくなっており、価格も高騰しています。【AND WOOL】では「顔の見える取引」を大切にして、無染色や無脱色の糸などを、国内海外問わず信頼できる会社さんから仕入れています。

そしてもう1つは、無理に安価な価格設定をしていないことです。アパレルの製造現場で起こる低賃金労働の問題は、商品が価格競争にさらされて、無理に安価な値付けをしようとすることで起こります。そのしわ寄せは、末端で作業する現場の作り手が負うことになります。

【AND WOOL】では無理な安売りをする必要がない上質な製品を作り、その品質に対して適正な価格設定を行うことで、現場の作り手さんたちに極端な低賃金ではない雇用を提供し、適正な工賃を支払う仕組みを作っています。

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■なぜ大量生産ができないの?

【AND WOOL】のニット製品は、編み上げから「接ぎ」や「綴じ」さらには、洗いと乾燥を繰り返す「仕上げ」の作業に至るまで、すべての工程を手作業で行っています。オートメーションの機械を使わないため、1枚1枚の製品を、品質高く丁寧に作ることができますが、その分、制作には大変な手間と時間がかかります。

また、在宅ワーカーさんや就労支援事業所さんには、「いつまでに何個納品してください」という機械的な発注が難しいということもあります。皆さんの事情に合わせてできるペースで製造に参加していただく仕組みにすることが、「雇用創出」の活動を続けていくためには必要なことだと思っています。

そのため、機械による大量生産のようなことは、できないという事情があります。生産効率は悪いですが、【AND WOOL】にしか作ることができない製品が生まれています。

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もし【AND WOOL】のニット製品にご興味をもっていただけましたら、実際にその「やわらかさ・やさしさ・あたたかさ」をお楽しみいただければと思います。どうぞよろしくお願い致します。

▼ホワイトカシミヤ100%ストールシリーズ

▼ヤク100%ストールシリーズ

▼ホワイトカシミヤ100%ウエアシリーズ

▼ヤク100%ウエアシリーズ



いつもありがとうございます。活動を、もっと多くの方に知っていただきたいと思っています。いただいたサポートは、それを「伝える」このnoteページを充実させるために使わせていただきます。これからもどうぞよろしくお願いします。