CVL 夏コレクションをデザイナー目線で紹介します。
ファッションデザイナーの村松です。ファッションブランドの『muuc』や、ニット文化を広げるプロジェクト『AND WOOL』を運営したり、国内生産を応援し合えることを目指すファッションブランド『CARL VON LINNÉ』のデザイナーをしたりしています。
『CARL VON LINNÉ』では、4月21日㈰まで、夏コレクションが予約販売されています。（※このブランドは予約販売することで、上質な国内生産の商品をお買い求めやすい価格で販売する。という仕組みで運営しています。）
現在予約販売中の夏コレクションについて、実際に商品のデザインを担当したデザイナー目線でご紹介してみようと思います。
■フレアースカート
今回の夏コレクションでは、特にボトムスに力を入れました。特にこちらのスカートは、試着会でも特に好評をいただいたアイテムです。
ベージュ・ブラックは異なる太さの糸を組み合わせて織ることで、凹凸を出したオックス生地を使用した 遠州織物で知られる静岡県浜松でつくった生地です。その細かい凹凸や、柔らかくナチュラルな表情が、古風な壁紙を思わせるため、制作現場では『壁織り』と呼んでいます。
トレンチコートにも使用される、しっかりと打ち込まれた生地で、光沢感と張り感があります。キレイめカジュアル、モード感が強いスカートにしあがったと思います。
一方、こちらのデニム風（シャンブレー）のインディゴブルーのスカートは、ポリエステルと天然素材によるフレアースカートです。
通気性がよく、汗ばむ不快な肌へのハリ付きとムレを防ぎ、吸水速乾や、紫外線カット機能にも優れた素材です。
どちらのスカートも、生地分量をたっぷりと、贅沢に使用することで、カジュアルシーンからキレイめなスタイルまで、幅広いコーディネートを楽しめる美しいスカートに仕上がったと思います。
※ベルトループも付いていますので、ベルトでウエストを締めたスタイリングもおすすめです。
■ショートパンツ
ブランド初となるショートパンツです。このブランドは、男女兼用で、且つ着る方の年代も広いため、ショートパンツの丈やシルエットなどバランス感を非常に大事にしました。
カジュアルすぎる見え方になっては、絶対良くないと思ったので、モード感を大事に。しかし、履きやすく、フリーサイズ感覚で着れること。そして、男女の体型の違いをもカバーするパンツにしなくてはいけません。
とくにヒップまわりや、股下のゆとりや、丈のバランスを大事にすることで、それらの課題も解決した私らしいシルエットのパンツになったと思います。
年々、暑さが厳しくなる夏が続いておりますが、このショートパンツで夏でも快適に。しかし、だらしなく見えない大人のショートパンツを楽しんでいただければ幸いです。
■ロングパンツ
CARL VON LINNÉのロングパンツは、毎シーズン大変好評をいただいておりますが、今回はコットンとリサイクルポリエステルを使用し、ストレッチに優れた生地を使用したデニムパンツを制作しました。 ジーパンというよりも、デニム素材のスラックスパンツです。 裾を広めし、ワイドなシルエットをお楽しみいただけます。
こちらの生地は、色落ちしづらい染色をしているため、一般的なデニムほど色落ちを気にせず洗うことができ、ウエストには、ゴム、紐が通っており、サイズ調整が可能です。裾を折って履いても素敵ですので、丈もお好みで合わせてください。
CARL VON LINNÉ のボトムスは、全てのアイテムでヒップの形を美しく隠してあげる。ということを大事にしています。そうすることで、できるだけ多くの方の体型にも合うように。体型に自信がない方も安心して履けるどころか、履くことで 身体がより美しく見える。そんなボトムスを生地やパターン、シルエットを調整することで提案しています。
■半袖シャツ
7月にお届けするシャツなので、『とにかく涼しく』着れるシャツを考えて作りました。
湿気や熱の放出性に優れた、非常に薄いナイロン生地を使用し、袖口も広く熱気を逃がしやすいように。キチンとした印象を与えるけど、暑苦しくないようにスタンドカラーに。そして、シワもできづらいイージーケアでOKなシャツですが、しっかりとモードな印象も与えるようなシャツに仕上がったと思います。
試着会では、小柄な女性が、敢えてLLサイズを合わせてスタイリングしている姿が印象的でした。オーバーサイズ感を楽しんでいただければ幸いです。
■Tシャツ
コットン100％ 32/1の微強糸を編んだボーダーTシャツです。限界までハイゲージで細い針で密度を詰めて編んでいるため、編み目が美しく、生地もしっかりとしているのに、光沢感、しなやかさもあり、肌触りも気持ち良い生地を使用しました。
生地の密度があり、光沢感と、サラサラしたような生地の質感が特長の無地Tシャツです。夏コレクションではロゴプリントも無しで、シンプルに、美しいベーシックスタイルをお楽しみいただけます。
ボーダーも無地も、衿はコンパクトに仕上げることで、モードな印象になるようにデザインしました。
■靴下
先日、note で記事にもしましたが、愛知県の靴下工場「レッグニット中村」さんにて作っていただいた靴下です。
「リブ太靴下」は、レッグニット中村さんが最も得意としているリブ靴下で、見た目はシンプルで、履き心地が良くリピーターも多い靴下です。
「和紙靴下」は、夏でも蒸れずに心地よく履ける商品に仕上がっています。
私も最近、和紙靴下を履いておりますが、靴を脱いだあとの汗ばむ足の不快感を全く感じない不思議な風合いの靴下です。夏でも足がサラサラでおススメです。
■トートバッグ
トートバッグ(小) もあります。
CARL VON LINNÉ のロゴが大きく入ったトートバッグです。サイズは２サイズありますが、どちらもたっぷり荷物が入って重宝しています。
ファッションデザイナーをやっていると、「バッグは簡単につくれる。」と思われることが多いのですが、実際は全然そんなことはない。というのが個人的にいつも思うことです。
そもそも私は、洋服の専門家というのはありますが、「服」はある程度、着る人やシーンを想定して作りますし、全ての人の全ての要望を叶えることができる「服」というのは存在しないと思います。
機能性、美観、サイズ、シーンなど、服は、必要とされることが細かいのです。
一方、バッグは「道具」として見られることが多く、体型、性別、年齢が異なる多くの方に、一つのデザインで対応していかなくてはいけません。それを叶えるためには、一つのバッグにしても、より良い「プロダクト」として完成させるには、作り方や丈夫さを鑑みると非常に難しい。と考えています。
いくら経験を積んでも、服もバッグも作るのは難しいなぁ。と日々感じながらも手や頭や足を使って制作しています。
モデルさんたちが着たルックブックもご覧いただけます。
是非ご覧いただければ幸いです。
CARL VON LINNÉ 夏コレクションいかがでしたでしょうか？
私はファッションデザイナーですが、きっと、どのファッションデザイナーよりも制作現場にいったり、接客したり、宣伝したり、様々なプロジェクトに参加しているかもしれません。
しかし、より良いプロダクトをつくり、良い社会・未来を作っていくためには重要なことだと思っています。
販売終了まで、しっかりとお届けできればと思います。よろしくお願い致します。
【CARL VON LINNÉ 2024 夏コレクション 発売中】
発売終了：2024年 4月 21日 (日) 23：59 まで
販売：https://cvl-japan.com/
いつもありがとうございます。活動を、もっと多くの方に知っていただきたいと思っています。いただいたサポートは、それを「伝える」このnoteページを充実させるために使わせていただきます。これからもどうぞよろしくお願いします。