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ミスドにて

 人が選んだドーナツを盗み見るのが好きです。新居の近くには、ファミレスや居酒屋は数あれど、遅くまで営業しているカフェのたぐいが存在しないため、ついついミスドをカフェ替わりに利用してしまいます。ドーナツ一つとあったかいカフェオレで数時間居座る日々。カフェオレのおかわりを頂けるのが嬉しくてたまりません。あとでカフェインで胃が荒れることなんてお構いなしに飲んでしまいます。美味しい。

 ドーナツって、人の無邪気な部分をくすぐる食べ物だと思うんです。カフェオレを啜りながら、トレイに載せられていくドーナツを眺めます。年齢高めの方はチョコ掛けのオールドファッションが好きな人が多い、というのは偏見ではないと確信しました。「うちの部屋めっちゃ汚いよ?」「いいよいいよ!うちの方が絶対ヤバイからw」と制服姿ではしゃぎつつ、大量のドーナツを持ち帰りしていった女子高生たち。きっと片方の女子高生の家に向かうのでしょう。
 一人でひっそりやって来て、抹茶系のドーナツばかり選ぶ女の子。舌が大人なんだなぁ。夕飯時になると、店内で麺類をすする大人たちの姿が目立ちます。私はまだミスドで麺類に挑戦したことがありません。

 新居がある町は大変すばらしいです。ようやく場所見知りが収まり、新居周辺で過ごすルーティーンが確立しようとしています。歩いていける距離にコンセントとWi-Fiが完備された図書館があります。そこで日中は本を読んだり文章を書いたりパソコンを充電したり・・。図書館がしまったら近くのお弁当屋さんで食事をとり、ミスドで文章を書く。完璧な布陣、本当に、、歩ける距離に図書館がある生活をどれほど夢見ていたことか・・。『隅の老人』を少しずつ読むのを楽しみに過ごしています。普段本屋さんで目にできない海外文学がずらりと並んでいるのが、私の思う図書館のたまらない部分です。図書委員長をしていた高校時代を思い出します。

 未来のことを考えると、冷たい手に心臓を握られるような気分になる。とにかく、毎日活動を絶やさなければ何か起こる。そう信じて、ミスドでカフェオレを飲み続けようと思います。チョコリングが無いところだけ、解せませんが。

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