見出し画像

明石クラシック室内楽コンサート ロベルト・シューマン 愛と喜びのクインテット

【過去の演奏会より】

日時;2024年2月23日(祝)15時から
場所:明石市立西部市民会館(明石市)

坂本 彩(ピアノ)
・ほのカルテット
岸本 萌乃加(ヴァイオリン)
林 周雅(ヴァイオリン)
長田 健志(ヴィオラ)
蟹江 慶行(チェロ)

【演目】

R. シューマン作曲:トロイメライ(子供の情景より)
J.ブラームス作曲:6つの小曲より第2曲インテルメッツォ
R. シューマン作曲:ヴァイオリンソナタ 第1番 イ短調 op.105
R. シューマン作曲:アダージョとアレグロ op.70
J.ヨアヒム作曲:「ロマンス」
R. シューマン作曲:ピアノ五重奏曲 変ホ長調 op.44
  (アンコールは第3楽章)

先代の市長の取り組みが功を奏しているのか、明石出身のピアニストが仲間を呼んで明石クラシック室内楽コンサートとして企画したところ、駅前でも利便性が良いわけでもなく、クラシックコンサートに特化しているわけでもない500名収容の会場は満員近くまで入っていた。本当に驚いた。

坂本さんのピアノはソロのトロイメライやインテルメッツォでは音が聞こえてこない事もあるほどの優しいタッチで、柔らかさを表現していたが、伴奏やピアノ五重奏になると一転、力強い存在感のある音で、音楽を牽引していた印象だった。特にソロの伴奏ではピアノの音が強すぎる時もあり、ピアノの蓋の調整があってもいいと感じるほどだった。

ほのカルテットのメンバーは同じ門下にいたのかと思えるくらい、どの楽器の音の出しかたもスーッとしていて、歌うような、また咽び泣くような表現が素晴らしかった。もちろん技術的にとても高く、グルーブ感も素晴らしかった。難所を楽々こなしている印象だった。

特にヴァイオリンの林さんのアンサンブルリーダーぶりは”しゅうカルテット”でもいいのかなと思った。岸本さんは少し前屈みの姿勢ながら、シャイな雰囲気とは違う集中力のある演奏、長田さんのヴィオラ、蟹江さんのチェロは音色が近く、一体感があった。おそらく技術的にも気持ち的も余裕のあるグループなので、もっとそれらを全面に出して、さらに楽しく魅せる演奏を期待したいと思った。

マナー喚起のプリントの効果だろうか、聴衆のマナーも驚くほどよくなっていた。舞台セットや会場にもシニアの方がおられて、市民で演奏会を支えている感がした。ここ、西部市民会館は階段がきつく、おかげでどの席からでも舞台がよく見渡せるいいホールだと思った。

冒頭にも書いたが、明石のこの場所でこんなレベルの演奏を続けていけば、ますます明石地区の音楽レベルが向上し、好循環になっていくと思った。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?