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ドリーム・コンチェルト2024

【過去の演奏会より】

日時;2024年5月18日(土)14時から
場所:兵庫県立芸術文化センター大ホール

坂東 裕香(ホルン)
石上 真由子(ヴァイオリン)
坂本 彩(ピアノ)
管弦楽:兵庫芸術文化センター管弦楽団
指揮:出口 大地

【演目】

ハチャトゥリアン:組曲「仮面舞踏会」より “ワルツ”
R.シュトラウス:ホルン協奏曲 第1番 変ホ長調 op.11【坂東裕香】
プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲 第1番 二長調 op.19【石上真由子】
J.シュトラウスⅡ世:喜歌劇「こうもり」序曲
ガーシュウィン:ラプソディ・イン・ブルー【坂本彩】

地元の優秀な若手音楽家を紹介する西宮ロータリークラブがプロデュースした、ドリームコンサート2024を聴きにいった。

ホルンの坂東裕香さんは、安定した音程と特に高音色が素晴らしいホルン奏者だった。オーケストラとのバランスもよく、難曲でもあるR.シュトラウスのコンチェルトを余裕で吹きこなしていた。意外と低音が不明瞭でホルンが指揮者が紹介した通り、ギネスに乗るほど難しい楽器だというのもよくわかった。

コンチェルトの中でも相当難曲と思われるプロコフィエフのヴァイオリン協奏曲を見事に弾きこなしていたのが石上真由子さんだった。超高音や連続する複雑なパッセージを気持ちのいい音程と音色で、この曲の持つ『白昼夢』を見事に表現していた。体幹が強いのか身体を安定させムダな動きがなく、音の切れ味もスタイリッシュだった。

ラプソディ・イン・ブルーを弾いた坂本彩さんは、何度か聴いたことのあるピアニスト、安定の弾きこなしだった。もう若手というよりも脂の乗った旬の演奏家であると思うが、彼女の個性からすると王道の協奏曲のほうが合っているような気がした。やはり別ジャンルの要素が強いこの曲も色んな意味での難曲だと感じた。

兵庫芸術センター管弦楽団はひとり一人の高い技術はあるものの、特に弦楽器と管楽器、打楽器のサウンドのミックス感が薄く、ワルツでは特にトロンボーン、チューバなどが、こうもり序曲では低音金管と打楽器(特にグロッケンやバスドラム)が場違いにホールに響いてしまっていた。このホールが本拠地のはずだが、聴こえ方や残響などを予想してのホール練習が求められると感じた。

指揮者の出口大地さんは、左タクトながらサウスポーの違和感がまったくなく、音楽に合った丁寧な指揮ぶりで、若々しく好感が持てた。わかりやすく的確な棒だと思った。MCもユーモアを交えた、話を引き出す技を見せていた。

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