病院とケアマネの考える支援が違ったケース

介護保険サービスを始めるきかっけは「退院」がよくあります。
私たちケアマネは退院するからサービス支援に入ってほしいという新規依頼を受けることがあります。

先日も同じような経緯でA病院にいきました。
難病で病状は緩やかに進行している50代女性のBさんです。
認定は要支援2です。

入院前は歩行状態が不安定ながらも食事作りや洗濯干しはできていました。体幹が不安定になってしまうため掃除機はかけられません。

ご家族も協力的でBさんのできない所は皆でフォローして暮らしていました。ある日リビングで躓いて足首を骨折してしまい入院となりました。手術・リハビリを経て退院が見えてきたので、私に声がかかったのです。

退院前の病院での話し合いをカンファレンスと呼びます。カンファレンスの主催者はA病院のC相談員さんでした。Cさんの事前情報で「Bさんのご主人はあまり協力的ではなくてまだまだBさんはできると言って介護に対してとても消極的です。」と言われていました。

実際にカンファレンスに参加すると、介護用ベッド・室内用のトレー付き歩行器・トイレ手すり・玄関内外てすり・浴室にシャワーチェア・浴槽台・バスボード・訪問リハビリ・必要であれば訪問看護と、退院時に必要だと思われるサービスの羅列でお話が終わってしまいました。

私はケアマネを取るための基礎資格が介護系ではありませんしリハビリの専門職でもありません。ですが上記に上がったサービスが本当に必要なのか疑問ばかりで帰ってきました。
カンファレンスで初めてお会いしたBさん・Bさんの夫2人とも納得していない表情も気になりました。

私なりに意見は言わせて頂きましたが医師・看護師・理学療法士がいる中で誰からも納得のいく返答がもらえませんでした。

後日Bさん宅でBさん夫と詳細をお話しました。A病院の医師・看護師・理学療法士の意見は大事ですが在宅チームでも判断してもらおうと、包括支援センターの看護師・住環境コーディネーターにも来てもらいました。

話合った結果、介護用ベッドは手すりの付いた家具調のベッドを夫が購入する・玄関内外の手すりは出入り時に必ず家族が付き添うため(一人で外出することはない)イスのみ玄関内に置く、手すりはいらない・歩行器、入浴用の用具はお試しで使用してから貸与もしくは購入・訪問リハビリ、訪問看護は退院してから必要だと感じたら検討するということになりました。

Bさんの夫がBさんの介助に消極的だったわけではなく必要なことはしてあげたいと思っている優しいご主人だったんです。

120%のサービスを位置付けてから帰したい病院と適切なサービスを念頭に置いて決めた私たちなりの結論。
結果的にご本人やご家族がどちらが正しかったと思うかはわかりません。

しかし減らしていけばいいのですからと言いながら過剰な福祉用具やサービスを設定するのは私は違うかなと考えています。
必要な物を必要なだけのサービスの方が元の生活に近づくことができると考えています。

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