投資を極めれば生き方がたくましくなる

書籍:投資バカの思考法
著者:藤野英人
評価:★★★★☆

タイトルからして投資に関することがずらずら書いてあるんだろうと予想していたのだが、その予想はいい意味で見事に裏切られた。

著者は確かに投資を生業としているし、その中で実績を残されている素晴らしい方ではあるのだが、この本は投資に関する内容よりも人生に関することに多くのページが割かれている。

それはモノの捉え方に始まり、考え方や決断などまさしく生きていく上でと言ったら少々大げさだが、普通の生活を送っていく上で必要なことが書かれているので、親近感をおぼえる内容も多数含まれているのだ。

結局、生きていくことも投資をしていくことも広い意味で同じことで、好奇心を持っていろいろな知識や体験を得ることが、今後起こりうることの判断材料になるのだと問いている。

特に印象的だったのが、「客観的な視点など存在しない」と言い切っている部分だ。

一般的には主観的にものごとを見るのではなく、主観を外して客観的に見ることで問題解決につながるのだと言われているが、著者は主観を外すことなどできないと言い切っている。

それは文化の違いであったり、育った環境の違いであったり、持っている知識量が違うことが原因なので、客観的に見るということがナンセンスで、ものごとは主観的に見ているという前提を意識することが重要だと言っているのだ。

このような気づきが本書には各所に散りばめられているので、新たな視点を発見できる良書だと言える。

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