シンドラーのリスト(1993)

タイトルはだいぶ前から知ってはいたが、この期に及んでようやく見てみようかと思ったので、3時間に及ぶ超大作に挑戦してみた。

これって実話ベースなんですね。

いやぁ、すごい臨場感というか生々しいというか、さすがに話題作だけあって当時の状況がリアルに伝わってくる感じがした。

映画の大半は時代を思わせる白黒仕様で、カラーに見慣れた今の世代からすればとても見にくいわけだが、これも時代背景に没入されるための演出なのだろう。

正直に言って、最後のクライマックスまではあまり盛り上がらない内容だなと感じていて、途中で見るのを何度か止めようと思ったくらいだったのだが、結果的には見てよかったなと思えた。

なにが良かったって、主人公のオスカー・シンドラーの人間性に尽きる。

始めはただの金もうけのためにユダヤ人を使ったビジネスを興し、巨万の富を築くわけだが、その私財を投げうってひとりでも多くのユダヤ人を助けようとしたシンドラーの姿に心を打たれない人は少ないだろう。

とにもかくも戦争の悲惨さ、特にユダヤ人へのひどすぎる仕打ちはとても言葉では表現できるものではないが、こういったことが実際に起きたことだったのだということは知っておく必要があるのだと強く感じた。

長い作品なので、途中退屈になることもあるだろうが、クライマックスの感動を味わうためにもう一度最初から観てみようかという気にさせる作りは、さすがスティーブン・スピルバーグの作品だということなのだろう。

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