見出し画像

「求人の募集」を、攻略してみる。

魅力がない仕事は選ばれない。


この求人売り手市場で思い悩む皆さんようこそ。多分貴方は採用問題に困っていると思う。みんなそうだ。人口減の日本でこんな無理難題。いくらなんでも無茶振りにも程がある。とりあえず誰もが試したであろう手を挙げてみよう。

「とにかく我が社は給料が業界一位です!」「年間休日○日保証します!」「あらゆる広告媒体に多額を投じました!」「1日2時間からでOK!」「フリーター歓迎、主婦歓迎、学生歓迎、社員昇格もあり!」…


うん。とても頑張ったと思う。とても大金を投じたと思う。実際世の中にはこんな内容ばっかりだ。では、何故、貴方が今この記事を読んでいるのだろうか?とても言いにくい事なのだが、これらの内容は他ならぬ貴方自身の経験から間違いだと証明されているのだ。当然同じ様な求人を行なっている他の企業も。こんなひどい話、一体どうしろというのか。

貴方はどんな会社で働きたいか?


逆に考えてみよう。貴方はその求人をみて実際に働きたいか?

給料目当ならもっと良い所があればそっちに行くし、楽さが目当なら他にもあるだろう。というかこれだけ緩い案件なら、誰でも良いのでは?

それだけ譲歩しないといけないって事は、相当なブラックなのでは?

そんな所に自分の限られた寿命を費やすだけの魅力があるか?

というかもう自分の価値に対しての侮辱だとさえ感じなかっただろうか?

誰とでも夜を共にする人は便利だが、正直その人と結婚したいと思うか?

一切否だ。「誰でも良い求人」では誰にも刺さらない。「自分に興味ない相手を好きになれ」と言われても、お見合い制度である「終身雇用」が崩壊した今では不可能だ。離婚も転職もカジュアルな現代で必要なのは「口説く」能力。特定個人に深く深くアプローチする戦略。ピンポイントで特定の人に刺さる「求人」が必要だ。

ドラフト指名では大手に取られるから、スカウトマンが直接獲りたい選手を口説くようにね。


そもそも理想はどんな人に働いて欲しいのか?


というかだ。貴方の会社にはどんな人でも採用さえすれば一人前に育てられるような教育システムが用意出来ているのだろうか?全く相性が悪い人材を、入社後に完璧に性格を変える?その為の経費や時間、教育コストは元が取れるのだろうか?そんな完璧な洗脳じみたやり方、もはや法に触れていないだろうか?

「最初から筋の良い人材が欲しい」のは正直な所で、というかそうでも無いとやっていけない中小企業の方が殆どでは無いだろうか?大手の「教育マニュアル」「莫大な広告費」「採用担当の人件費」が無い以上、むしろ積極的に「ピッタシ我が社が欲しい人材」を通さないと上手くいかないのは当然なのだ。

大企業の求人は砂金取り。中小の求人は砂鉄取り。


兎に角大量の求人を集めて、細かい網目でふるいにかけるのは大手企業のやり方。そんな体力がないこちらは不可能。よって割り切って、特定の人材だけが向こうから興味を持ってくれる「砂鉄取り」を戦略としよう。

では、具体的な戦略に移る。

攻略手順①、今まさに欲しい人材の特徴を徹底的に書き出す。


例えば、意見を自発的に挙げる。協調性がある。失敗を恐れない。寡黙で実直。妥協を許さない。笑顔が素敵。気配り上手。宣伝力がある。
兎に角「ここを満たさないとどうにもならん」「ここは後から身につくから程々で良い」「ここを満たすと最高」という判断基準を明確にしよう。

現状がドラクエならパーティーにどんな人を採用するか、とも言える。

攻略手順②、その人物を例えると?


さて、その基準を満たした人はどんな人だろうか?可能な限り具体的な人が良い。(というか正直その人を口説いた方が良い)。イメージが出来たらその人を「どうしたら口説けるか」「何を必要としているか」「何は譲れないか」を調べてみよう。今迄ぼんやりしていた採用戦略が大分具体的になってきたのではないだろうか?

攻略手順③、理想の人が居そうなところに、欲しがっている餌を。


例えば、とある個人経営の「蕎麦屋さん」では毎年求人は0。兎に角実直な人が来てくれれば、育てる用意はあるものの…どうにもならずに困り果てていた。そこで求人コンサルタントが手を貸した結果、求人は一気に20人に激増。そこから一番理想的な人に決められたので、とても喜んだそうだ。その求人に乗せた文面はこちら。「6時時間、誰とも喋らずに働ける職場です。」そう、この蕎麦屋さんが欲しかったのは接客ではなく、調理の方。真面目に美味しい蕎麦を作ってくれれば良かったので、「明るい」とか「元気」といった「飲食の求人」のド定番は必要なかったのだ。後はこれを「寡黙な人」がよく行く「本屋のフリーペーパーの求人コーナー」に仕込んだらこの結果。かけた広告費とコストに対して破格の効果では無いだろうか?

おまけ:求人される側も理想の職場を求めている


この方法をお勧めするのは、求職者にとっての「運命の出会いを演出できる」という側面もある。何せ口説く側は強烈に頭脳を回して理想の人を口説きにかかっているのだ。白馬の王子様に焦がれる乙女の様に。実際に出会った時の「ようやく出会えた!」「貴方こそ運命の人だ!」という思いは如実に伝わる。自分を見てくれない高収入のパートナーと、共に老いていきたい程愛してくれるパートナー。幸せな結婚生活はどちらの方が得やすいか、である。

▼『お喋り』はstand.fmで配信中!(朝10:30に毎日更新) https://stand.fm/channels/5eed41ab9c38bc03262bcf1b 実は割と、爽やかな声をしてる(らしい)。 ギャップが気になる方は、是非どうぞ!