アラビア語における10個の発音補助記号(シャクル)の覚え方
今週もあっという間だった。25名以上の生徒さん対応、20言語学習のうちの3言語くらいのフォーカス言語の文法整理、山に住んでいるので、坂の上り降りなど、異国での一人暮らしなのに、あっという間に過ぎていく時間…。
※アラビア語のレッスンは生徒さん多めで大変。
アラビア語の生徒さんがここ数ヶ月で二倍になったのでアラビア語のコツなども、気持ちが乗っている間に、ここに書き留めていきたいと思う。
私のnoteは、基本、本当に勉強したい方のために有料にする事が多いので、そういう方に読んでいただければと思う。
私のレッスンを受けようか考えている方や、受けてみたいけどもう少し考えてみたい。という方にも向いているかもしれない。
この記事では、10個の発音補助記号(シャクル)を一つ一つ紹介し、かつ、それぞれのシャクルの本来の意味など、関連性についても私なりに最大限に書いている。
これが何らかのヒントになっていただければ幸いだ。ちなみに、これら10のシャクルは、必ずレッスン中に私から、このシャクルの意味を教えて。と言われるので、アラビア語のレッスンを受けるかもしれない方は覚悟をしておいてください(笑)
また、近々この内容をYouTube動画でまとめるかもしれないので、先取り情報として読みたい方だけ読んでください。
いずれにしても自分のものにきちんとしていただけたら幸いだ。
シャクル【شكل】
意味= shape / form
まずアラビア語を学んでいてよく聞くこのシャクルというのは、形という意味である。以下に紹介する10個の記号は、シャクル。さて、覚えていこう(^_-)-☆
①ファトハ【فتحة】
意味= opening
アラビア語でファトハの音は、アを表すのだけど、これが英語のcat, accent, apple のように、[æ]の音になることが多い。
なので、カイファ【كَيْفَ】(howの意味)などの発音は、ケイファに聞こえるし、私のレッスンでも、カタカナ表記の時は、カイファにして、読むときには、ケイファにするようにお勧めしている。
※正則アラビア語の母音は、「あ、い、う」の3つしかないが、日本語にも、「ん」の音には3つ以上あると言われているように、体系化されていない音もあるのでそこは注意が必要。どの言語にもこういう事はある。
②カスラ【كسرة】
意味=breaking(破壊)
イの音。「لِ」下につく横棒。非常に覚えやすい。イの語根がなぜは破壊なのかは不明だけれども、イっていう音がもしかしたら、横に思いっきり引く母音なのでそういうイメージなのかもしれない。
breaking は断線という意味もあるし。
③ダンマ【ضمة】
意味=embracing(抱きしめる)
ウの音。「عُ」←確かに抱きしめているように丸くクルっと巻いた感じ。
④タンウィーン【تنويـن】
タンウィーンというのは、その言葉自体に意味はなく、【ن】をつけるよ。という意味である「“to add nunation”」のために作られた言葉。
nunation という英語も、アラビア語の文法専用の英語なので、英英辞書などには載っていなく、wikipedia にしか載っていない。
このタンウィーンというのは、以下のような、a, i, u に、-n をつける事。
ファトハタン(ファトハのタンウィーン)→【اً】=-an
カスラタン(カスラのタンウィーン)→【اٍ】=in
ダンマタン(カスラのタンウィーン)→【اٌ】=un
⑤シャッダ【شدة】
意味=become strong(強くなる)
「دّ」←まるで「w」のアルファベットに見えるようなこの記号は、日本語で言えば、「っ」が入るようなイメージ。
本来はシャッダ系の語根は、「強くなる」という意味だけれども、wiktionary で調べると、その語根とは区別されていた。
⑥ハムザ【همزة】
wiktionary で調べると、ハムザの語根は、「悪口」や「蹂躙」と出てきたが、その理由は私にもわからない。
ガムザ「ء」は、声門破裂音を表す意味なので、そういう悪口を言うときの音な感じなのかもしれないと、勝手に私は結び付けている。(笑)
ちなみに、この「ء」=声門破裂音と、アラビア語特有の、英語の apple [ˈæpl] の [æ] みたいな「ع」=アイン=「有声咽頭摩擦音」は、音として最初似てると思う人が多いので注意が必要。
⑦マッダ【مدة】
意味=duration(期間)
アリフ「ا」につく、アリフのみに使われる記号。「آ」このマッダが付くと、アー。と長母音化する。
英語ではこのクニャクニャ記号を、tilde「チルダ」と呼ぶ。
マッダの語根は「期間」だが、横にクニョ―って流れるのが一つの期間という概念なのかもしれない。
⑧スクーン【سكون】
意味=silence(静寂)
たとえば、「بِكُمْ」のように、最後のmの子音にスクーンがついている。なので、BiKumというように、mの次に母音がない。この記号は、母音がないよ。という意味。
スクーンの語根の意味通り、母音がない。=静かだね。という意味になる。
⑨ワスラ【وصلة】
意味=link(接続)
「ٱ」ワスラの意味は、アリフ「ا」が発音されないという事を意味する。けれども、パソコンのキーボードで入力するのが難しい。
アラビア語のシャクルの中でも、これは省略されることが多い。例えば、
「بِالمُنَاسَبَةِ」=ビルムナーサバ。最初の「ビル」=「بِال」=バルのように見えるが、真ん中のアリフを発音しないという意味のワスラがつけられていない。けど、ネイティブはワスラなんていうものをそもそも見もしないので、読めるというわけだ。
いずれにしても、ワスラはつくところが、だいたい決まっているのでそこまで真剣に目を見張っておく記号ではない。と私は感じている。
⑩小アリフ
小アリフとは、主に【هٰذَا】=ハーザー(あれは)の時の「ハ」の音についてくる音。それ以外はあまり見かけない記号。
文字通り、アリフ「ا」が上にチョンとついているだけのもの。小さいから小アリフって呼ぶんだよね。
「هٰ」と「هَ」の違いをしっかり認識しておくことが重要。前者は、しっかりと伸ばしたハー。の音。後者が、短いアの音で、上でも述べたが、英語の apple [ˈæpl] の [æ] に近い音。
いかがだっただろうか。アラビア語の文字は最初は難しく感じるけれども、文字が分かるだけで、色んな国の人たちとやりとりが出来るので是非お勧め。
アラビア語のメリットの動画は、最近視聴もあがってきて、いかにアラビア語に関心のある人が増えてきているかが私も実感してきている。
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