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ロシア語の完了体が未来形を表す理由

以前(2023年4月)、こんなツイートをしていた。

ちょうど、以下の記事を作っている時にこの説明が必要だったので、ここで解説していきたいと思う。

「ロシア語が英語に比べ簡単な理由(文法や単語、発音)」

ロシア語では不完了体と完了体のうち、完了体が未来形を表すと1,2年目では、はぁ!?だった私も、ロシア語学習歴(もちろんただ勉強して時間が過ぎただけでなく、毎日勉強してるからその蓄積のおかげで)が長くなり、わかってきているので、諦めずに!!

もちろん以下の解説を読んだだけでは理解できません。

実際にはロシア語をもっと全体的に知ること、ロシア語の文法書をきっちり隅から隅まで読んだりいろんな例文を読んだ上で、再度ロシア語の文法システムを見直すことで解消できてきます。


①不完了体と完了体の誤解をまず解いてほしい

英語では、to write(書く)という動詞が一つしかないが、

ロシア語にはデフォルトで、

писать(不完了)/ написать(完了)

と二つの形がある。

しかも、上がどちらも現在形。

で、以下が上記の過去形の形。

писал(不完了)/ написал(完了)

基本的には、右側の、на のように余計な接頭辞がついている方が完了体と覚えるのがまず基本的な考え方(そうじゃないパターンもあるのがロシア語の深みw)

つまり、完了体=過去形というわけではないということをまず理解してほしいところ。そのために上にわざわざ書いたのである。

そもそも過去と完了も文字上、全然違う意味。。

で、もう一つのヒントは以下。

②ロシア語には、現在進行形(-ing)がないのがポイント

違う言語からロシア語のことを理解していくと、この謎も解けてくる。

ロシア語には、英語におけるような、-ing(現在進行形)がない。

日本語ですら、〜している。というのがあるのだけど、ロシア語にはそれがない。

なので、ロシア語文法では、

①I will write(私は書きます=これからのこと)
②I am writing(私は来ています)

を、上記ペアのどちらかで分けていると言うわけ。ここでは不完了体とか完了体という文字通りの意味はないので注意。

文法って完璧にできていなく、あとで、これはこっちにすっか。みたいな感覚で付け足されたルールもあると覚えておけば気が楽になると思う。

①я напишу(私は書きます=これからのこと)=完了体
②Я пишу(私は来ています)=不完了体

そもそも、整理すると、

②Я пишу は、不完了体である。

なので、意味通り訳すと、I write(私は書く)となるのだけど、英語にも習慣的な言い方で、I often write Cylilic alphabet(私はよくキリル文字を書いています)のように、〜しています。という言い方をしている。

そして完了体(必ずしも完了したよ。っていう意味じゃないので注意)のように、つまり、я напишу のように、無駄な接頭辞がついたものを、私は、英語における will と考えるようにしていて、まさに、英語における、I will write(これから書きます)と解釈している。

※動詞によっては不完了体と完了体の特徴が真逆のスペルだったりすることもあるのであくまで基本的な考え方として。。

最後に

言語とはそもそも人が話していた言葉が、時代の区切り目で学者によって文法的に整理されていった。

特に産業革命あたりの時にフランスが世界で初めて統一言語を作ったあたりからこぞっていろんな国が自国の言語の方言などをまとめて学者に文法を作らせたと考えれば良いと思う。

そういう歴史を知っていれば、自然言語(人が話す言葉)は、コンピュータープログラミング言語のように、何か一つかけたら作動しないようなものとは違い、さまざまな例外があり、後付け的に意味が付け加えられたものも多いので、そういう部分も知りながら自然言語の勉強をすると、また違ってくるかもしれない。と私は考えている。

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