アラビア語の複数形のパターン(3つの作り方)
日本語、中国語、韓国語などには複数形は特になく、英語の場合は、language(言語)→languages(言語たち)のように、複数形だよ。とわかるように語尾をつける。
こういうのはドイツ語には5つの語尾が存在したりもする。
英語にしか慣れていない人にはちょっと厄介かもしれないが、アラビア語にも複数語尾がいくつかあり、それをこの記事でまとめることにした。
基本は、アラビア語【CD付】 (世界の言語シリーズ17)を参考にしつつ、さわり程度、大まかにわかるように書いていきたいと思う。
①語形を変えるもの
これは、アラビア語の複数形特有の、特に決まったルールがないもの。記事の一番最後にある、broken plural(壊れた複数形)。
computer(コンピューター)=ḥāsūb(ハースーブ)→ḥawāsīb(ハワースィーブ)
student(学生)=ṭālib(ターリブ)→ṭālibūna(ターリブーナ)
red(赤い)=ʔaḥmar(アフマル)→ḥumr(フムル)
※注意。単語によっては複数形の形が多すぎるものもある。例えば、student(学生)。
この単語は、複数形の形が3つもあり、自分が覚えたいやつを一つ選んでおくといいと思う。
※ちなみに上には名詞だけでなく形容詞もあるが、アラビア語では名詞と形容詞が同じ扱いなので、こういうことになってしまう。
②複数語尾(ウーン)をつけるもの
teacher(教師)の場合
mudarris(ムダッリス)→mudarrisūn(ムダッリスーン)
lawyer(弁護士)の場合
muḥāmin(ムハーミン)→muḥāmūn(ムハームーン)
③複数語尾(アート)をつけるもの
shop(店)の場合
maḥall(マハッル)→maḥallāt(マハッラート)
broken plural(壊れた複数形)という概念
さて、3つのパターンを大阪大学の文法書通りに説明したのだけど、アラビア語はその他の主要な言語(西洋語や日本語など)に比べ、broken plural(壊れた複数形)というものが強く出ている言語であるとされる。
つまり、いろんな形の複数形が存在し、多くの学者がそれを体系化しようとしてきたがいまだにできていないのだという。
アラビア語の文法にこだわりすぎて、全部を暗記しようと思う勉強法は私はお勧めしない。
自分が使うフレーズ。に出て来る単語のみを覚えようとすればいいと思うと生徒さんにお伝えしている。
英語でもよく出て来る複数形といえば、
children(子供達)、languages(言語達)、books(本達)など限られて来るので、それらを最低20-30覚えて、その中からアラビア語の語尾の法則というかセンスを身につけていくのが良いと思う。
最後に。
など、常にいろんな単語の単数形と複数形を見比べていると、なんとなくセンスがついてくるものなので、法則など気にせずに数こなしをしてみるのが一番良いと思う。
④アから始まりアで終わるパターン(おまけ)
最後のfriend(友達)の場合、最後のアーが伸ばす音なので、上記全部が同じ規則で揃っているわけではないが、色々な名詞の複数形をみていると、④のようなパターンに属する名詞は結構多いのでは?とも思う。
いずれにしてもこれも壊れた複数形の中の一つなのかもしれない。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?