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英語と日本語のリズムが著しく違う理由=(ストレス、シラブル、モーラ)タイミングについて

この記事ではよくレッスン中で話すことでもある言語におけるタイミングというものについてざっくり書いていきたいと思う。

日本人にとっては英語が聞き取りづらく、逆に英語話者にとっては日本語が非常に聞き取りやすい。

ずるい。って思った人も多いかもしれない。

けど、これにはちゃんとした理由がある。

まず、多くの人が学んだことのないだろうモンゴル語(私がよく行く場所なので。。。)を聞いてみてほしい。

なんか、不思議な国の言語という感じだろう。
顔は日本人似ているのに、モンゴル語は英語のようなリズムを取る言語なため、日本人がモンゴル語の発音を理解するのは非常に困難なのである。
これは英語圏でもよく話題になり、モンゴル語の発音はなぜあんなに難しいのか?と言われるのも頷ける。

で、スペイン語。はどうだろうか?

スペイン語の発音は日本人にもキャッチできる構成になっている。
どうやってそれがわかるか?というのは、その言語をどれだけカタカナで表せるかというのがわかりやすいかもしれない。

もちろん日本語は非常にキャッチしやすい言語なので、どの外国人からも日常会話程度であれば簡単な言語(文字システムを学ぶ初期段階と、中上級にあがるにつれて複雑な文法があるので西洋人にとっては難しいとは言われているが)となっている。

で、話を戻そう。

これは発音というよりも、タイミング(音声用語)の問題ということをこの記事では共有していきたいと思う。


①Stress timed(ストレス)

英語、ドイツ語、アラビア語、ロシア語、モンゴル語、オランダ語、ノルウェー語がストレス・タイミング言語と言われている。

これはどういうことかというと、キムチという単語で表すと、

Kim Chi と2音節で発音するけれども、Kimだけを強く発音し、Chiは聞こえるか聞こえないかの感じで発音するというもの。

つまり英語が、Can you speak Japanese?(日本語話せる?) というフレーズがあった時に、全てをはっきり発音するわけではなく、部分的にあげたりさげたりするということ。これが、このストレス・タイミング言語の特徴。

IPA(国際音声記号)で表すとこんな感じ。

①kæn yu spik ˌdʒæpəˈniz (国際音声記号をきちんと発話した場合)
②kən yə spik ˌdʒæpəˈniz(母音を削った話し方)

①は英語話者が非ネイティブ向けに話すときの発音に割と近い。=キャニュー。
②は英語話者同士、つまり内輪英語。=クヌ

全体的には、k n spk jpnz =クヌスピクジャプニズ。大袈裟だけど、母音を外しても通じる感じ。わかるかな・・・??

②Syllable timed(シラブル)

フランス語、スペイン語、インドネシア語、韓国語、中国語、キルギス語、トルコ語・フィンランド語・広東語など、多くの国の言語がこれである。

キムチという言葉で考えると、Kim Chi をどちらともちゃんと発音。ストレス・タイミングに属する英語などと違いシラブル・タイミングのフランス語では、Accent(アクセント)という単語を、アクソン。とはっきり発音する。

英語では、エァークスントのように、最初は強く発音して、スントが弱くなる感じなので、ストレス・タイミングとシラブル・タイミングは別物であることがわかる。


③mora timed(モーラ)

1分2秒くらいから。ハワイ語。

これを聞けば、日本語、ハワイ語、スロバキア語、キリバス語、ガンダ語が、②のシラブル・タイミングよりもさらに音節を発音する言語だということがわかる。

これらの言語では、Kim Chi ではなく、Ki Mu Chi と3つの音節にして、全てに母音をつけるようなイメージで発音するのが特徴。

とはいっても、日本語もそうなのだけど、です。という最後の語尾を、De Su とはっきり発音する人はいなく、大体が、De s と、最後の「す」をはっきり発音しないので、これらのモーラ・タイミング言語に属している言語のほとんどが、部分的に、シラブル・タイミング言語であるということも付け加えておく。。

ちなみに私は韓国に住んでいた時に、スーパーのおばちゃんに、キムチと日本語発音で言ったら、キムチは2音節だよ!って感じで直されたことがある。。。

ちなみに、こちらはハワイ語がじっくり聞ける動画。ハワイ語もちゃんとキムチっていう音節をとる言語なので安心感がある。しかも、この動画ではアメリカ英語も同時に流れるのでその違いに驚くと思う。


子供に聞かせればわかる

昔、甥っ子が4-5歳の時に、英語を聴かせると嫌な顔をしたが、中国語はすんなり真似してくれたということがあった。

子供の耳は正直なので、日本語の環境で育った耳には英語の上がり下がりは雑音に聞こえ、ハワイ語のような日本語と同じモーラ・タイミングの言語は、耳に優しく聞こえる。と思う。


最後に

このことを知っておくと、英語の発音を勉強する基本的な知識となり、かなり役立つと思うので、この3つの違いを理解できると良いと思います😁



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