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奥本「関先生、こんにちは。約4か月ぶりの対談ですね。ずいぶんとお久しぶりなので、まずはこの数か月間、どのようなことがあったのか教えていただきたいです。」

関「AAEEの年度は正式には11月中旬に始まる。理由は、夏休み期間に開催される国際交流プログラムの報告会を兼ねたイベントを11月に設定していることによる。このイベントを終了し次年度に引き継ぐんだ。しかし今年はコロナの影響でいろいろとあり、新体制での活動が例年よりかなり早く始まった。」

奥本「そうだったのですね。今年度の新体制で、なにかこれまでと変わったことはありますか?」

関「一番大きな変化は、学生アシスタントの人数がものすごく増えたことだ。今、総勢25人くらい。少し前までは5~7人程度でやっていたから、正直とても驚いている。」

奥本「なぜ、こんなにもアシスタントが増えたのでしょうか?」

関「1つは前体制の時に本気で組織化を目指したことにある。これについては後で触れる。もう一つは、AAEEのプログラムに参加して、そのままアシスタントに加わってくれる学生が多かったことがある。プログラムを通してAAEEの魅力を感じ、今度は自分が企画側で支えたいと思ってくれた人がたくさんいて嬉しかった。さらに、今回加わってくれた学生は皆さん多才で個性抜群。AAEEは益々パワーアップ、飛躍の年になりそうだ。」

奥本「人数が増えたことで、どんな変化がありましたか?」

関「ざっくり言うと二点。一つは、AAEEの発信力が最強にアップしたこと。集団としてAAEEの活動をPRできるようになった。どんなに質のいいものを作っても存在が知られなければ普及しないからね。この変化はとても大きい。
二つ目は、学生アシスタントの組織図ができて一人一人の役割が明確化したことだ。国際交流グループ、国内啓発活動グループ、広報グループの三つに分かれて、各チームのリーダーを中心にしっかりと活動を展開できている。」

奥本 「AAEEは学生主体の組織としての確実に成長と遂げているわけですね。すごいです。それぞれの部門がそれぞれどんな活動をしているのか、紹介していただけますか。」

関「まず国際交流グループは、4か国の学生アシスタントが協働で国際交流プログラムを企画運営いる。今は3月に開催するプログラム準備を真っ最中。」

奥本「4か国!? それはベトナム、ネパール、バングラデシュ、そして日本ですか?」

関「その通り。これまでAAEEが国際交流プログラムを実施してきた国々の学生たちが、一堂に会して活動しているんだ。グロ―バルパートナーシップの輪が少しずつ広がってきていてワクワクしている。」

奥本「嬉しそうですね。でも、オンラインだけでの準備はなかなか難しそうですもんね。」

関「直接会ってやるに越したことはないけど、慣れてくると、オンラインでも十分やっていけると思うようになってきた。「オンラインの人間関係も選択肢の一つ」と割り切って考えれば、ネット上での友情構築、協働は十分可能だと思うようになってきた。さらに、これまでの国際交流って、高い費用がかかったけど、オンライン交流だとネット環境さえあれば誰でも参加できるでしょう。SDGsの1つに「人や国の不平等をなくすこと」が挙げられているけど、国際交流のオンライン化はこれに貢献していると思う。さらに言えば、オンライン国際交流では治安や健康のことも気にしなくてよい。」

奥本「なるほど。それはそうですね。オンラインなら費用はほぼかからないし、安全面もばっちりですしね。私は9月のバングラデシュ―日本オンライン交流プログラムの運営リーダーをさせていただいたのですが、確かにオンラインだからこそ実現したことというのもたくさんありました。
次に、国内啓発活動グループは何をしているのでしょうか?」

関「AAEE定期学習会という企画を始めた。これまでAAEEは、東南アジアや南アジアを拠点での国際交流プログラムを中心とした、海外志向が強い団体だった。でも、まだあまり知られていないのだけど、日本国内でも学生への啓発活動を行っている。多様な価値感や文化背景を持つ人々との対談を通じて、多様化した社会でしっかりと生き抜く資質を身につけることを目指したもの。実はAAEEでは国内での啓発活動を国際交流と同じくらい重視しているんだ。」

奥本「なるほど。広報チームが、国際交流のみならず国内での活動にも力を入れているのはそういう訳だったのですね。広報チームもすごく頑張っていますよね。」

関「国内での広報活動を本格化したのは最近のことなので、SNS日本語ページのフォロアーはすごく少ない。英語版に比べると思わず吹き出してしまうほどだ。でも、今年の広報チームはやる気がみなぎっている。広報活動は地道な作業だが、今年の学生アシスタントの強いエネルギーでもってすれば、AAEEの活動の日本国内での知名度は一気に上がると思う。実際、アジア諸国では、これまでのコツコツとした活動の積み重ねと地道な広報の積み重ねで、知名度を上げ、愛される団体に成長してきたからね。」

奥本「私もその一端を担えているのかと思うとゾクゾクするし、今後AAEEがどんな成長を遂げていくのか、ワクワクします。」

関「AAEEの学生組織の規模は少しずつ拡大しているけど、組織は大きくなればなるほど良いというわけでもない。小回りが利くという小さい組織の強みを忘れないようにしたいところだ。大きな団体だと、何かしようと思った時に、幹部の会議や組織内の様々な許可が必要になってくるでしょう。それで、いざ実行する頃にはもう時代遅れだったりするわけさ。しかしAAEEの規模だと、思い立ったら数日内に決定に至ることも不可能ではない。後先考えずにという訳にはいかないが、学生たちの頭に浮かんだ発想がプログラムとして実行に移されることだってあるんだ。実際そんな感じでこれまで10数年間やってきた。」

奥本「それは私自身も実感していることです。8月にバングラデシュとのオンラインプログラム、BJEP2020を開催した時、“新企画をやりたい”とつぶやいてから、何とわずか数分で開催が決定しましたもんね。それからわずか一ヵ月後には開会式を迎えていた(笑)。AAEEの驚異的スピード感に圧倒されました。」

関「懐かしいね。AAEEにはこの勢いがあるから、時代の流れに淘汰されず、また学生からも見放されずに生き残ってきた。今後はもっとすごくなるし、社会に与える影響は格段に大きくなっていくだろうね。」

奥本「これからもAAEEの良さを生かしながら、地道に頑張っていきたいものです。本当に楽しみだなあ。」

(対談者 関昭典 AAEE,一般社団法人アジア教育交流研究機構代表理事、奥本咲英, AAEE学生アシスタント《上智大学総合グローバル学部3年》)

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