SOUNDFROG Berial/BerialS

機材レビューです。

https://youtu.be/2mpJlqbUJ0Q

知人が共同開発したSOUNDFROG Berial、この間からツアーやレコーディングで使用させてもらってるんですが、これがすこぶる良い。
自分が使ってるのはSの方ですね。

Berialには通常バージョンとSと冠されたバージョンと2つあるので今回通常バージョンの方をお借りして比較検証してみました。
とはいえ仕事ではなく完全に個人的趣味での比較なので検証のおすそ分けといった感じ。


こちらに色々試してみたので動画にまとめてみました。
https://youtu.be/2mpJlqbUJ0Q

Fender JazzBass 1966年製から
比較的皆おんなじような環境になるようにオーディオインターフェースにそのまま挿して録音しました。
エフェクトバイパス状態から、S、ノーマルの順に
指弾き、スラップ、ピック弾きと奏法を分けています。

Berialの設定も変えていて、最初の指弾きでは常時かけっぱというかプリアンプ的な印象で音を作りました。
両者の違いが分かるように動画の写真のようにおおよそ同じようなセッティングに。

プリアンプ的に使う場合は
ブレンドを10にして完全にエフェクトを通した状態
Toneは暗め、Gainも強く弾いた時に引っかかる程度、そしてこの機種独特のColorは大体2〜3時、60%開きと言った具合。
この状態だと、アンプ的、というより真空管DIやチューブプリアンプ的なサウンドが得られます。
なのでこの設定で常時かけっぱなしで、少し硬めだったり解像度高めなDIなんかに送るとラインでは少しチューブ感のある音になってアンプとの馴染みがいいんじゃなかろうか。

スラップ、ピック時には弾き方でバキっとだせたりまたはピックで弾くと少し歪んでるな?というようなバランスにしました
ブレンドを5
Tone5、
Gainは数値的には8ぐらい?
Colorもほぼほぼ5、センターくらいに。

今回、こう並べて弾いてみて感じたのは単純にライン直って弾きづらい、というか音の印象だったりアタックのピークだったりがどうしてもバラけちゃいます。特にSlap時。
ある程度そういうもんなんだけど。

Slap奏法時の波形比較
上バイパス
中S
下ノーマルBerial

波形で見ると分かりやすいんだけど、どうしても歪んでない状態のトラックはサム(親指)で弾く部分なんかが特に波形的に出っ張ってますね。
なんで自分でも弾いていて「このぐらいがピークだな」って分かっちゃうんで抑えて弾いてしまうんですね。意図しない歪みが起きないように。

そうしちゃうとスラップ奏法のダイナミクスさが逆に失われてしまうし、わかって抑えててもパッシブのベースだとこんな感じになる。
あとは単純に音量を下げてピークまでのマージンを上げるしかないという。
でもそれってやはり無処理だと単純に大きかったり小さかったり聴きづらいと思う。
そこが中下段のように歪みを入れることである程度アタックの角がとれてるから、これだと弾いてても限界値がまだ広い事がわかって大胆にいけるし音量も稼げる。
あと単純に音がカッコいいし波形的にはバイパスの方が若干大きいのに歪ませた方が抜けて聴こえるという。個人的にはスラップ時はノーマルが好きな歪み方かな。

まあそのアタック潰したり~みたいな役目ってのが本来コンプだったりするんですが、歪みでもそういう均すみたいな現象が起きていて、単純に弾きやすいなーとも思う。

ベースを歪ませる理由って何個かあると思うんですが、1つは上みたいなピークの角を取ったり帯域的にも急な飛び出しを減らしたり
腰高にさせるって使い方があります。
歪ませると基本的にはローは減ります(減るというのが適正な言葉か分からないけれど、ベーシスト目線での感覚)
んで、それによってアンサンブルの中での立ち位置が変わるというか。
キックとベースってのが1番分かりやすく競合するとこだと思うんだけど、そことの棲み分けというかどちらが音響上、土台の下になるのかどうか、積み木の下の段になるかみたいなところ。
歪みでそこが調整出来るのかな、後はよく言われる馴染み具合だったり。

それでいうと指弾きではバイパスでも勿論いいんだけど
ピックではSの音のポジショニングが凄く棲み分け出来て聴こえて弾きやすい。
とはいえこれはジャンルやテンポ感にもよるので一概には言えないのだけど。

とまあ歪みに関する捉え方話は一度おいておいてエフェクターの話。
Berial、どちらもcolorツマミの設定で結構音色を変化させる事が出来て、感覚的に言うと基本開けていくと歪みが乗っていくような印象というか全開だと分かりやすく歪みが乗るなーって感じでバキバキに目立たせたいなら1番右まで、なんだけど説明書の通り12〜15時のあたり50〜70%くらいまでは急にローが増えたように感じます。増えたというか、エフェクト的な歪みから真空管ぽい歪み方に変わるというか。
このただ開けば増えていくだけじゃない感じがTECH21 VT Bass DIのCHARACTERと挙動の印象似てるかなって感じでした。

とにかくこのエフェクターはcolorが秀逸。これがあるおかげで汎用性がとても高くなっている。
逆に言うと少し難点としても取れて、ここのセッティングがイマイチ感覚的に理解しづらいってのはあるかもしれない。触って好きな風になればいいんだけど。
12〜15時でファットな歪み!それ以降はエフェクティブな派手な歪み!
くらいで捉えたら良いのかも。自分はどんなセッティングでも12時付近が好きです。

あとはやはり公式の通り、プリアンプ的に常時かけっぱならSの方が向いていて
歪みペダルとして踏むならノーマルの方が狙った音は出しやすいかな。
ノーマルの方がやや明るい印象。
Sの方が重心低く少し暗い印象。
どちらも用途に応じて使える良いペダルだと思います。あとなんとなくパッシブ向きかも?アクティブの出力高いベースでも今度試してみます。

デメリットは印字が小さくて見づらいとこと、数は少ないもののサイズ上ツマミがどうしても隣接してしまっているところ。
とはいえそのあたりも沢山ツマミがあるペダルとは違って、とりあえず感覚で弄りなよって事なんだと思う。サイズに関しても昨今のペダル事情的にはこのあたりで収まると運びやすい&組みやすいよね。

探せば他にも素敵なレビュー見つかると思うんで、興味出来たらぜひー!

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