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障害者を週労働時間20時間以下から雇用しつつ、助成金や奨励金の対象にする方法

昨年の今頃、2020年は日本にとっては東京オリンピックの開催という歴史に残る一年になることを誰もが疑わなかったのではないかと思いますが、2021年を迎えた今、振り返ってみると、新型コロナの流行に始まり、そして終わった年だったように感じています。

さて、更に1年後、私たちは何を見て来たことになっているのでしょうか。本年もよろしくおねがいします。

障害者雇用において、改善されなかった企業名の公表があり、2020年(令和2年)は、土木工事業の1社が公表されました。

コロナ禍においても、障害者雇用の推進は待ったなしという厳しい現実だったと思いますが、逆に言うと1社だけで済んだのは、情状酌量があったのかどうか気になるところです。

6月1日の障害者雇用状況報告書にてハローワークに報告された障害者の雇用数が足らず、命令回避のため、12月中に障害者を雇用しなければならないと奮闘されていた会社さんも多かったのではないでしょうか。

2020年はコロナの影響で、各社へのロクイチ報告書の送付にも遅延が生じ、ハローワークの全体的なスケジュールが後ろ倒しになっていました。

にもかかわらず、命令回避のための雇用は12月までで待ったなしだったので、障害者雇用対象企業においては試練の連続だったことが想像されます。

せっかく苦労して採用した障害者社員が安心して仕事を続けられるように、支援体制も整えていただきたいと思います。

前置きが長くなりましたが、今日は、障害者を週労働時間20時間以下から雇用しつつ、助成金や奨励金の対象にする方法についてヒントをお伝えします。

障害のある方を雇用する場合、障害者ご本人の障害特性などに応じて、短時間雇用を採用するケースが増えています。

週労働時間20時間以上30時間未満であれば、短時間労働者としてカウントできるのですが、カウントとならない週労働時間10時間以上20時間以下で雇用スタートし、徐々に雇用保険の被保険者とした場合、「特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)」の対象とすることができません。

理由は、短時間勤務が「雇用の約束」とみなされ、対象外になってしまうためです。

障害者を雇用する場合、障害当事者や一緒に働く社員の方にとっても徐々に慣らしていくという観点からも超短時間からスタートすることは有効であるとされながら、障害者雇用の中心的助成金である「特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)」の対象外となることは、企業にとって打撃ですね。

そのため、少しずつ労働時間数を増やしつつも「特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)」の対象としようとする場合、まず「トライアル雇用助成金(障害者短時間トライアルコース)」を活用し、雇入れ3ヶ月以上12ヶ月以内に、週労働時間10時間から20時間に徐々に引き上げていただき、短時間トライアル修了後は雇用保険被保険者としていただくことで特開金の対象とできます。(会社都合離職者を出しているとペナルティがある場合がありますので、注意してください)

特開金の対象となれば、東京都の奨励金も対象となる可能性が出てきます。
それぞれのURLをご紹介しますので、計画的かつ戦略的な障害者雇用を推進していただければと思います。

特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/tokutei_konnan.html

トライアル雇用助成金(障害者短時間トライアルコース)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/shougai_trial.html
※ページ下の「短時間」の方です

東京都障害者安定雇用奨励金
https://www.hataraku.metro.tokyo.lg.jp/shogai/josei/antei-koyou/

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