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Back To The Future 80年代の場所と人

1985年に公開され大ヒットした映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』
主演のマイケル・J・フォックス演じる高校生マーティがクリストファー・ロイド演じるドクことエメット・ブラウン博士の発明したタイムマシンで過去や未来へ行って冒険をいくり広げるという奇想天外なお話しです。
この映画、SF冒険コメディという面白さだけでなく、映画が描く物語としての伏線と回収がとてもよくできていて、話の作り方、見せ方が後の映画だけでなく日本の漫画などにも多大な影響を与えている素晴らしくよくできた映画だと思います。
その魅力は語り尽くせませんが、Keep Calm On Tee Schatz ならではの視点でその面白さに迫ってみます。

■今から37年過去からスタート

以前夏休み企画の時にマーティがプロムのコンサートバンドでジョニー・B・グッドを演奏しギターを弾きまくって、そのバンドが従兄弟のチャック・ベリーに電話で聞かせるシーンややりすぎてドン引きする観客に向かって「これは君たちには早すぎたかな?」って言うシーンが好きだと言う話をしましたが、そこ以外でクスッと笑える小ネタシーンで好きなところがあります。
SF小説を書いている自分の父親をプロムのダンスパーティに行く気にさせるために宇宙人の扮装として放射能防護服とマスク姿でAIWAのポータブル・カセットプレイヤー(ウォークマンみたいなもの)でVAN HALEN の曲を大音量で聴かせる拷問シーンがあるのですが、確かにVAN HALEN と書かれたカセットテープでギターの音もVAN HALEN 風なのですが、「こんな曲あったかな?」って感じなんですね。
今回、お話をするにあたって調べてみたら、なんとこれVAN HALENはVAN HALENなんですが、エドワード・ヴァン・ヘイレンが単独で映画用に弾いているらしいんです。
なんでも、映画制作サイドからオファーがあった時にエディは快く引き受けたらしいんですが、デイヴやアレックスが反対したそうで、なのでバンドではなく、単独になっていて、カセットテープもVAN HALEN ではなくEDWARD VAN HALEN となっているということです。もう一度見返したところその通りで、37年経って知ったことでした。

■今から7年過去になった未来のシーンで

続編であるPart2は本来完結しているお話しをまさにひっくり返すところから始まり、終始転がり続ける慌ただしい展開になります。
未来の世界でパワーアップしたタイムマシン・デロリアンを持ちながら、立ち去ってから半日程度の時間に戻って来て「君たちの未来に関わる重大なことが起きるから、急げ!」と言うドクは、まさにタイム・パラドックスを起こしかねないそのものの行動で驚きですが、もう観ている観客にあまり考えさせる時間を与えずに話をまとめないといけない未来編から始めないといけない制約があるため、脚本は相当に難しかっただろうと思うのです。それを見事にPart3に100年過去の話に繋げることで、見事にお話しをまとめ上げてる素晴らしい脚本だと思います。

せっかくなのでPart2、3の中でこのチャンネルらしい話といえば、何といってもレッチリのフリーの登場シーンでしょう。1985年ではマーティと同じ高校(?)の不良役、2015年ではマーティと同じ会社の悪い同僚役として、どちらもマーティをけしかけ悪い方向へ行かせるポイントになっている人物です。
不良、チンピラ風イメージとして、当時ミクスチャー・ロック、オルタナティヴ・ロックとして世の中に認知され始めていたレッド・ホット・チリ・ペッパーズのフリーが正に時代のいかがわしさ、怪しさ、悪さをわかりやすく表現していたと言うところがそれもまた時代的だと思います。
因みに1985年のフリー演じるチンピラは革ジャンにモヒカンのようなヘア・スタイルで登場しています。

■意外と狭いエリア内でのお話

世界で一番有名なタイム・トラベルの映画はやっぱり『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズだと思います。なので世界で一番知られているタイム・マシンはデロリアンという車だということになります。決してのび太くんの机の引き出しにしまわれてある乗り物ではありません。
このデロリアンという車は実在した車でデロリアン・モーター・カンパニーDMCという自動車メーカーが唯一販売していたアメリカのスーパーカーです。ガルウイングという上に開くドアと直線的な車体のデザインが特徴の車なのですが、この車映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』が公開されて舞台になっている年である1985年にはすでにDMC自体がなくなり生産されていない車でした。

パート1ではこのナンバープレートが取れて残るシーンが印象的ですし、未来へ行って改良された後のデロリアンのプレートはオレンジ色のバーコードタイプ付け変わっています。
このスーパーカーが時速88マイル、144キロを超え、1.21ジゴワットの電流を次元転移装置に流し込むことでタイムトラベルが可能になるという設定ですが、タイムトラベルしている間場所には干渉できないらしく同じ場所で時間だけが変わるようになっているため、お気づきの通り。バック・トゥ・ザ・フューチャーの物語は『ヒルバレー』というカリフォルニア州の架空の街の範囲で起こっているだけです。1985年を中心に30年前と30年後そして100年前を行ったり来たりすることで壮大なスケールのお話しのように見えていますが、実際のところ大きな世界には何の影響もなさそうなところがまた面白いのです。
なので、今回持って来ているTシャツはヒルバレーのご当地Tシャツです。
これは劇中出てくるものではなくてご当地パロディものなのですが、何となく1855年の西部開拓時代からの歴史ある街であることを言っているようなご当地もののような感じがして、他にも色々あるヒル・ヴァレーご当地パロディTシャツの中から気に入ってチョイスしたものです。2015年くらいにバック・トゥ・ザ・フューチャーの未来が来たと盛り上がっていた時に買ったものです。

■おまけ

”1984”のジゴならぬメガ・ヒットでヴァン・ヘイレンはこの頃ロックの頂点にいました。にも関わらず、とりあえず一発かましますか、ってな感じのギター・ワークが何ともカッコイイ。ビルとテッドといい、時空を超えるロック・スターですね。

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そして、レッチリのフリーほんのチョイ役ですが、なかなかいい味だしています。この頃のレッチリ自体かなりいい味で大好きです。

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フリーもかなり変顔で登場してましたが、この映画の見どころの一つはマイケル・J・フォックスとクリストファー・ロイドの顔芸だと思うのは私だけではないはず。特にマーティが若かりし母親に遭遇する時の顔とか(笑)

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