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The Game のキラキラしたジャケット

皆さんは一番最初に買ったレコードというものを覚えているでしょうか?
子供の頃に親から買ってもらったもの、買い与えられたものではなく、自分の小遣いで、買ったものであれば、やっぱりそれなりに思い入れがあって覚えていらっしゃる方も多いのではないかと思います。
私の場合もやっぱりそうで、よく覚えています。
seasson10はQueenのお話しをしていますので、やっぱりQueenの登場です。


■It’s like episode I ?


ミュージシャンのインタビュー記事なんかで、「初めて買ったレコードは?」何てのがよくあるんだけど、やっぱり初めて自分で買うって、若い時だろうし、色々選んで買ったものだろうから思い入れもあるだろうし、何より、何回も何回も聴くことになるし、特にミュージシャンになるような人種には、その後の創作活動に多大な影響を及ぼすことになった1枚なんだろうと思ってよむと興味深い。意外に自分達がやってるのとは違ったジャンルだったりするのもまた面白かったり….

僕の場合も多分にもれず、最初の1枚、良く憶えています。
My first Record は 1980年にリリースされたQueenの『The Game』。 
中学1年の夏休み、たまり場になってた友人の高校生の兄貴が洋楽好きで、レコードや音楽雑誌が沢山ありました。そこで洋楽に触れることは、それまでほとんど音楽には興味のなかった僕には刺激的な世界だったわけです。Beatles や Billy Joel なんかみたいに既によく耳にしていたものもあらためて聴いて、曲名を知ったり、アーティストの名前を知ったり、Beatlesの20Greatst Hitsのカセットテープの話は2021年の夏休み特別企画の時にお話ししましたが、その素晴らしい出会いから、思春期の特に男子にありがちな、もっとハードな刺激をもっとハードな音楽を求めるようになるというか、10代の男子の聴く音楽や持ってるレコードなんて必然的にそんなものが集まっているというか、多分に漏れず僕もそういうものを聴くようになる訳です。 Led ZeppelinやDeep Purpleの歪んだギターの音。そして、猥雑でおどろおどろしい対訳歌詞。男子が声変わりの時期にかかる熱病のようなものなんだと思います。(笑)
そんな中で聴いたQueenの『Another One Bites The Dust(地獄へ道づれ)』、友人がその邦題、地獄へ道づれという響きからQueenのグレイテストヒッツからピックアップして聴かせてくれた曲でした。最初はその邦題でハードなものを想像したんですけれど、聴いてみると、どうも夢中になって聴いたその他のハードロックとは少し違っていたのです。耳に残って口ずさむのはギターのリフではなくて印象的なベースラインでした。

■レコードを買いに行こう!


帰りの道でもずーっと頭の中でベースラインがループして、どうしても自分の家でも聴きたくて、たまらず数日のうちになけなしの小遣いを握りしめ、町に1件しかないレコード屋へ自転車を走らせたのです。そこで『「地獄へ道づれ」の入っているLPレコード『The Game』を買うのだけど、このアルバムのジャケットがちょっと変わった仕様で、ミラー状の紙でできているもんだから、他のLPジャケットと異なって、薄くて柔らかい。自転車のカゴに入れて田舎の凸凹道を走ろうものなら途端に傷が付きそうなしろもので、仕方なく、カゴには入れず、右手の脇に抱えるようにして、片手で自転車をこいで、汗だくになりながら帰ったものでした。
帰宅してすぐさま、もう、大切に、慎重に、LP盤をターンテーブルに乗せて、針を落とすわけです。スペイシーなSEにピアノの音、フレディの静かな歌声に面食らうも、何度も頭の中で繰り返したベースラインも、軽快なギターリフや独特のギターソロも、美しいバラードも、1枚のアルバムの中にロックのあらゆるフォーマットが詰まっていました。当時、Maxellの46分テープにダビングして、自分の部屋のラジカセで何度も何度も繰り返し繰り返し聴きましたね。

■The Game


あのジョン・レノンにも影響を与えたという『Crazy little Thing Call Love』、アクセル・ローズが東京ドームでアカペラで歌った『Sail Away Sweet Sister』、そしてマイケル・ジャクソンがシングルカットを推したという『Another One Bites The dust』(マイケルはQueenの大ファンで、フレディとの交流などを通じてブギー・ディスコ路線から、ファンクとロックの融合へシフトするんだけど、その決定打がこの曲だったと言います。Wikiにもある、この曲がマイケルのために書かれたというのは多分後付けだと思います。ジョンがメインで書いた曲だし、フレディのインタビューでも共作したり、Jamったりした話は何度も出てくるし、当時ニュースにもなっていたけど、それはThe Game が出た後で、親交が深くなるのはアルバムが出た後のQueenの全米ツアーの時という時期からも)

■ジャケットでジョン・デイーコンが着ているTシャツ?


このThe Gameのジャケットですが特殊仕様のせいか、ジャケットの写真が別ショットのもの文字の色が異なるものなどのヴァージョン違い発売された国の違いでしょうか異なるものがあります。
このアルバムで存在感が大きいベースのジョン・ディーコンがずいっと前目に出ていてTシャツの胸の部分が見えているものがあります。
その胸には楕円にBIKE ITと文字がプリントされています。革ジャンにTシャツといったロッカーズスタイルのQueenというのもこの時期ならではで面白いです。

■エピローグ


うんちくも色々なんですけど、このアルバムを最初に買って聴きこんだことで、僕は何を聴いてもRockに聴こえる部分があれば好きになるという自分の音楽の聞き方の根っこみたいな部分が確立されたアルバムだと思うのです。
そういう意味でも。一番最初に買ったレコードって重要な存在なのかもしれませんね。皆さんにとっての最初に買ったレコードってどんな存在になっているでしょうか?良かったらコメント欄から教えてください。

あれから、30年余り、今でも割とキレイな状態でここにあります。

■おまけ

『The Game』アルバムのエピソードあれこれですが
私の持っている1999年にリリースされたQueenデビュー25周年記念盤のリマスターCDは紙ジャケット仕様になっているのですが、これがA式ジャケットのレプリカ仕様になっているようで、ジャケット写真のジョン・ディーコンのTシャツの柄が見えるVer.になっています。その時は1stアルバムから"The Game"までの8枚のオリジナルアルバムのみのリリースでした。
その後にリリースされた紙ジャケ仕様のCDはE式でTシャツは見えない日本発売当初のジャケット写真のものになっています。
『The Game』アルバムからの先行シングル"Crazy Little Thing Called Love"(邦題:愛という名の欲望)はQueen初の全米No.1ヒットになりました。
それを当時ニューヨークに住んでいたジョン・レノンが聴いて気に入っていたということです。ジョンは当時ハウス・ハズバンドとしてショーンの世話をしながら暮らす毎日でしたが、折を見ては曲を作ったりデモテープを作ったりしていたようです。その中に何曲かQueenの曲を弾き語ってるものがあり"Crazy Little Thing Called Love"をチョイスしていたりします。そしてその頃書き溜まった曲を2ヶ月くらいでレコーディングしてリリースしたものが『ダブル・ファンタジー』になったということです。
フレディお風呂で思いつき5分で書き上げたというエルビス風の曲がエルビスのロックに刺激を受けてギターを弾き始めたジョンのロック魂に火を着けたのでは、と想像するのも楽しかったりします。


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