見出し画像

【標本のすすめ】自宅で動物の死骸を冷凍保存する方法


ギョッとしますよね。
でも実はよくある問い合わせです。

私自身、そのうち剥製にしようと
とりあえず冷凍庫に入れたものが
ボロボロになってしまい、悔しい思いをしたことが多々あるので
そんな経験をもとに記事にしてみました。


今回は、長期保存のことも考慮して
状態良く「冷凍保存」することをメインに
冷凍の仕方を書いてゆこうと思います。


◆いつかペットを剥製・骨格などにして残すために冷凍保存したい。
◆ロードキル・漂着死骸を拾って標本を作るかた。
◆拾った死骸を博物館や剥製屋に寄贈する予定があり、状態良く冷凍保存したい。
◆自宅で冷凍餌を長持ちさせたい。

そんな方はぜひこの冷凍方法をおすすめしたいです。


1.冷凍庫内でも徐々に劣化している?


そもそもなぜ冷凍しても肉が劣化するのかというと…

素人魂さんがブログ記事にしているように
冷凍庫内の温度は一定ではありません。

家庭用冷蔵庫に備わっている
エコ運転機能、除霜機能、のせいで
冷凍→解凍をくりかえしていること

加えて扉の開閉、常温のものを入れた時に
周辺の温度が上がることなどで
完全に温度を保つことは困難です。

そして空気にさらされることで
脂肪が酸化してゆきます。



2.冷凍庫内は乾燥している。

最近の家庭用冷凍庫の性能はさまざまで
冷凍焼けを防ぐ機能が付いているものもあるようですが、
ほとんどの場合、生肉を丸裸で冷凍庫に入れると徐々に水分が飛んでいきます。

水分を失った状態が続くと
脚の先、耳の先、鼻の先、尾の先から
『冷凍焼け』という現象が起きます。

冷凍焼けが起きると
薄い皮は石灰のように真っ白になり、
周りの組織とカチカチに癒着してしまいます。

乾燥のせいで非常に扱いにくく
残念ながら良い状態で標本にできないことがあります。


3.自宅で動物の死骸を冷凍保存する方法


私がアトリエで実行している
酸化と冷凍焼けを抑える簡単な方法がこちらです。

用意するもの
・動物がまっすぐの姿勢で入るサイズのジップロック
・バケツ
・冷蔵庫で冷やした水道水 (1L~)
⑴事前に日付・種・状態などをジップロックに書いておく。

⑵十分な大きさのバケツに水を溜めておく。

⑶ジップロックに動物+全身が浸る程度の冷水を入れる。

⑷袋ごとゆっくりとバケツに沈めて完全に空気を抜く。

⑸余分な冷水ごと押し出して、空気が入らないように封をする。

⑹動物の体勢を整えて出来るだけコンパクトに折りたたむ。
 このとき脚の先、耳の先、鼻の先、尾の先が
 しっかりと水に浸っているのを確認する。


空気と触れさせないことで酸化を防ぎ、
水の膜を作ることで乾燥を抑えようという道理です。



また、冷水の代わりに「塩水」を使用し長期保存する場合もあるようです。
濃度は生理食塩水(9g/L)、海水同等(30g/L)、その中間(20-30g/L)と
場合により使い分けますが、
研究機関や博物館への寄贈なども視野に入れている場合は事前に確認を。



いかがでしたでしょうか
この記事が参考になったと思った方はいいねボタンを押してくれると嬉しいです。

SNSも随時更新しています。


◼️参考リンク:
素人魂~特濃魚汁~
『魚話その194』
http://osakanabanashi.seesaa.net/article/364661813.html
とても勉強になるブログです。ぜひ合わせてお読みください。

フリーザー内の温度の偏りと変動(エヌケイエス株式会社)
http://www.validation-wa-nks.jp/2010/0617_110000.php
扉の開け閉めによる庫内温度の上昇
http://www.validation-wa-nks.jp/2010/0624_110000.php
扉の開け閉めによる保管物の温度変化
http://www.validation-wa-nks.jp/2010/0708_110000.php
霜取り運転時のフリーザーの温度変化
https://www.validation-wa-nks.jp/2011/0217_110000.php




◼️M I O M O R I   (ミオ)
Artist/Design
2011年よりアーティストとして活動を開始。
アトリエに入り浸り、そこで献体を募りながら
ネズミの剥製をメインにアート作品を作る。

WEB SITE
http://miomori.wixsite.com/muku
Twitter
https://twitter.com/muku_mio
Instagram
https://www.instagram.com/muku_mio



記事の内容が良いと思ったらスキやサポートして頂けると励みになります。頂いたサポートは制作や個展の費用に充てさせていただきます。